文化祭@静臨 | ナノ




「ふーん、ここが…」

臨也は一つの模擬店の前で、手にしたパンフレットと店の看板を見比べては、楽しそうに微笑んでいた。

【メイドさーん!!】

只今、来神高校では文化祭の真っ最中である。
それぞれのクラスが思い思いの出し物を用意し、クラスメイトと一つのものを作り上げていく…青春を謳歌する高校生には欠かせないイベントの一つである。
しかし、臨也にはクラスメイトとの青春の1ページよりもさらに大切なものがあった。
それがこの“喫茶店”である。
出している飲み物もお菓子も至って普通で特に代わり映えしない、いわば定番のような企画だが、一つだけ変わった所があった。

《男女逆転喫茶》外の看板にはでかでかとこう書かれていた。

文字通り、男女が逆転して接客を行うというものだが、臨也が楽しみにしているのはそこではない。
ここは、静雄がいるクラスなのだ。

臨也が来ない、理由がない。

臨也はニコニコとしながら、店内へと入っていった…

ーーー***

席に着き店内を見渡すと、一際どす黒い空気を纏った…メイドが一人。

(みぃーつけた。)
「すいませーん!!そこの可愛いメイドさーん、注文お願いしまーす」

そのメイドは臨也を一目見るなり、身にまとった空気をさらに重く黒くした。
そんなことはお構いなしに、臨也は声をかける。

「聞こえてるんでしょー?シズカちゃん」
「てめぇ!!その名前で呼ぶな!!今すぐ息の根止めんぞ!!」

そのメイドの胸には、“シズカ”と書かれたネームプレートが付いていた。

「ひどいなぁ、お客さんに対してその態度はダメでしょー」
「てめぇはなんで来やがったんだ、帰れ!!」
「嫌だよ、もっと可愛いシズカちゃんを見ていたいんだよ」
「…殺す。」
「それより、注文とりにきてよ。」
「……」
「仕事、だろ?」
「…なににすんだ。」
「聞き方がなってないなぁー」
「ご 注 文 は ?」
「あはは、いいねぇ。その引きつった笑顔!!」
「殺すぞてめぇ。」
「じゃぁ、この落書きオムライスで。」

メイド喫茶では定番商品だ。しばらくして、例のごとくシズカちゃんがオムライスを運んでくる。

「…ん」
「え?何か言う事は?」
「お 待 た せ し ま し た」
「あはは、シズカちゃん可愛いよー」
「死ね。」
「それより早く書いてよ、ケチャップはその為だろ?」
「てめぇでやれ。」
「仕事」
「…なんて書くんだ。」
「もちろん、“臨也様大好き”」
「は?」
「だーかーらー、臨也様、大好き。」
「一回死んでくるか?」
「早くー、それも仕事のうちだろ?」
「…後で絶対に殺す。」
「うん、待ってるよ。」

臨也はシズカちゃんからの熱烈な告白を噛み締めながら、なぜかケチャップまみれのオムライスを上機嫌で食べて帰っていったのだった…。

後に、学校内でお決まりの殺し合いに発展したのは…言うまでもない。



**********

相方である瑠璃より文化祭シズイザ書いてもらった…^///^
むしろ瑠璃が書きたいっつって送れと私が言った!
シズーオかわいすぎるよシズーオ!
瑠璃のちょっとうざいけど憎めない臨也がすきだ!

ありがとう瑠璃^^

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