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「シズちゃん、キスして。」

ふと臨也が口にした言葉に俺は目を丸くした。
さっきまで黙ってパソコンに向かっていた臨也がなぜこんなセリフを吐くのか、静雄には理解できなかった。
突然グルリと静雄のほうを向いたかと思ったら、まさかにセリフに驚くも、じっと見てくる臨也の視線に胸が高鳴った。

「誘ってんのか?」
「誘ってるよ、もちろん」

ニコリと笑う臨也に、困った恋人だとため息をつきながら臨也のあごをやさしくつかみ、キスを落とした。

「ん…」
「……満足か?」
「もっと、シズちゃん」

もっと、とただその3文字をつむぐ唇に今度は深く口付けた。

「ふぁ、あ、ん」

臨也が酸素を求め少し口を開いたのを見計らって舌を挿入する。
前歯をなぞるとビクビクッと臨也の肩がはねた。
口の中、細部まで丹念に舌で犯していくと次第に臨也も静雄の舌に答え絡めてくる。
方向を変えまた深く口付ける。
もうイスにちゃんと座っていることもできないのか、臨也はズルズルと静雄の腕に引かれ落ちてくる。
臨也の腰をグイと引き寄せ、また深く口付ける。

「ん、ふ…」

胸の当りに何かを感じ視線を落とすと、臨也が弱々しい力で静雄の胸をたたいていた。
「もう無理!」とでも言うかのように。

(手前が誘ったんだろ)

臨也がギロリとにらんでくるが、潤んでいる瞳で睨みをきかせたことろで恐怖など微塵も感じない。
むしろ、逆にそんな瞳で見つめられれば、

(興奮すんだろが、)

「もう、無、理っ! シズ、ちゃ! ぁ、」

拒否の言葉なんざ紡がせねえといわんばかりの情熱的な口付けに臨也は頭の芯がじわりと熱くなるのを感じた。





「窒息死するかと思った。」
「鼻で息できんだろうがよ。」

できなかったから言ってんだろと臨也が愚痴を言いながらまたパソコンと向き合った。
無理って言ったのにさ、とパソコンに向かって何か打ち込んでいるのにも関わらず出てくるものは愚痴ばかり。
さっきまでの可愛さがうそのようだ。
何だったんだと静雄は頭をかく。

「なんで突然しろなんて言ったんだよ手前」
「したかったから。」

何かを打ち込む作業さえやめずに(例のチャットをやっているのかもしれない)、さらりと言ってのける臨也に静雄は驚く前にあきれてものが言えなくなった。
「何だそりゃ」と小さく口にすると臨也は「したかったんだって」と口にする。




「   」




カタカタと一定の音を刻んでいたものが消えたかと思った瞬間、臨也の口から紡がれた言葉を静雄は聴き逃さなかった。

「そうかよ」




ありったけの

キスが欲しい。






(シズちゃんを感じたかった。)

そんな可愛いセリフを聞いて、口元が緩まない奴は居ねえよな。



(20100207)

この甘さが私の限界だ!

臨也誘い受けのターン!
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