ハッピーニューイヤー




「うひーあったかーい」
冬はやっぱこれだ、これに限る。


「もうこげん季節とは早かねー」
「はーもう抜けられないよーここから」

こたつにくるまってほっこりしまくってるあたしをみて、
ちーは苦笑いして「なまえはこたつに馴染みすぎとるばい」と言った。
なんだお前だって両足その中に委ねてんじゃんちゃっかり。


「今年もあと少しで終わりやね」
ちーが言う。

「ほんとだねーなんだかんだで一瞬だったなあ今年も」
「去年も金ちゃんはゴンタクレとったばってん、今年もいっちょん変わらんかったたい」
「金ちゃんは毎年あのやかましさでしょもう修繕不可能だよあれは」
「白石も手え焼いとったけんね」
「謙也も脱ヘタレできなかったしね今年も」
「せやね」
くすっと笑うちー。


「今年で何回目になるやろね」
「ん?」
急にちーがそう言った。なにがだ。

「こうやって、皆で初詣行く前に、2人だけで過ごしよん」
「あー・・」

急に改まってちーが言うもんだから、
あたしは食べようと思って剥きかけてたみかんの皮の動きを止めた。
左横から、ものっすごい視線を感じる。
久しぶりにやってきたこの空気に、やたらどきどきする心臓。



「なまえ」
ちーがそうやってあたしを呼んだかと思えば、
気づいたときにはあたしの頬にちーのそれが重なっていて、
何をされたのか気づくのには一瞬のことだった。


「!!!」
「誰も居らんち、そげん驚かんでも」
「いや驚くよ、ちーのばか!」
恥ずかしいじゃんか!とぽこっとちーの頭を叩いたけど、
ちーは何とも思ってないような顔で「いつでもむぞらしかねーなまえは」なんて言ってる。
いや、ちーの言うとおり付き合ってる間柄なんだから別に驚くこともなんだけど。
やっぱり経験値が浅いあたしは、いつでもこういうのには、恥ずかしい。


するとちーはまたにこっと笑って、
「そろそろ行くたい、遅れると白石がせからしかけん」

ちーがそう言って、玄関のドアを開ける。
当たり一面は、雪景色だった。



「ちー」
「?、なんね?」
「来年も2人で過ごそうね」
そう言ってちーの手をぎゅっと繋いだ。
あたしなりの、さっきの仕返しだ。
ちーは少しびっくりした顔で、「もちろんたい」
と言い、あたしの手を握り返した。


























































ハッピーニューイヤー
(来年も、再来年も、その先もずーっと一緒に過ごせたらいい)








1万ヒットリク千歳です。
なんだか短いし内容浅いしすみません・・!
千歳のことを名前で呼ぶなんて恥ずかしくて心臓破れるので
ちーって呼ばせてみました!そっちのが恥ずかしいな笑

ちこ




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