モノクローム




思えば。
そこには、なんにもなかったのかもしれない。



急に始まったあたしたちの付き合い。
あたしはほんとに、好きだった。
だから長い間、付き合ってた。

だけど、
その関係が、どんどん
ないがしろになっていくのが目に見えて。

気がつけば、
「身体だけ」の関係になっていた。


だけどあたしは、

あんたのそばに居れたら、
どんな関係でもよかったんだよ。

ねえ、はる、
あなたはあたしじゃなくても、
女ならだれでも、よかったの?


































































はじめは、ほんにたまたまの偶然。
俺がずっと好きやった女に、男ができとった。
さもなればそいつはもう叶わぬ恋ってやつで。


俺は人生のどん底に突き落とされた。
しにたいしにたいもうしんでもえぇって思った。

そんとき、そんな絶望に打ちひしがれとった俺のそばに、
あいつ、なまえは、ずっと居て、話を聞いてくれた。


こいつやったら、俺を1人にはせん。

そう思って、俺から告白した。


そんな曖昧な俺達やったが、長い間付き合うてきた。
なまえは、ずっと俺のことだけを見てくれていた。
俺も、なまえのことを、好きやったし、必要としていた。



それだけで、十分じゃった。
ほかに何も要らん、そう思っとった。最初は。



やけど、人間って欲深い生き物やの。
なまえの存在だけやと物足りんくなってきよる。
俺は、別の女に手を出した。

それでもなまえは、
俺のことを受け入れてくれる。
何も言わんと、抱きしめてくれる。


どんなに女遊びに拍車がかかろうと、
なまえは黙って、俺の傍に居てくれる。

どんな俺でも、
なまえは受け入れてくれる。



そう思うと、
次第になまえとの関係は薄いものになっていって。
そしてその関係は、会えば「する」だけの、
中身もなんもない関係になっていった。




































ねぇ、はる、
あたしたち、一体どこで間違えたの?









なぁなまえ、
俺たち、一体どこで間違うてしもたんじゃ?























































なぁなまえ、
こんなクズみたいな俺でも、俺は、




ねぇはる、
あんたにとっちゃ沢山いた女の中の一人でも、あたしは、













































たしかに、


あんたのことが、

おまんのことが、


すきだった。





































モノクローム
(もう二度と伝えられない)























1万ヒットリク頂いてた仁王相手です。
ぶっちゃけこれ、管理人の実話でもあります\(^o^)/←
ごめんね仁王さんこんな役回りにしてしまって!笑
でもいちばん愛してるよ!


ちこ




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