cuddle




「シっカマールー先輩っ!」

「うわっ、」



シカマル先輩の背中めがけてダイブする。
ぎゅうっと首に腕を巻きつけてじゃれつけば、シカマル先輩は「くっつくな、離れろ」って怒る。


「へへーん!そんな睨んでも怖くないもんねー!」

「うるせーよ。さっさと降りろ」

「え〜?」


いつもいつもなにかしら怒ってるシカマル先輩。
あまりにも慣れてしまってシカマル先輩のお叱りはあまり聞いてない。
返事をする振りをして先輩の首筋に顔を埋めると「あ、バカなにを…!」って耳を少し赤くする。



「あーテレてるう!かーわーいいー」

「年上をからかうなっての、」

「年上って…、2コしか違わないじゃん」

「バーカ。15と18じゃ全然違うつーの」

「来月で16歳になるもん」

「はいはい、」


ぶすうとした顔で睨むと、めんどくさそうにあしらわれた。
その姿がすんごく気に食わなくてちょこっとだけ首を絞めるように腕に力を入れてやった。


「く、くるし…!」

「ざまーみろ。」

「てめっ、なにしやがる!」

「ふん!」

「つーか、さっさと降りろ。いつまで乗ってんだよお前」

「いーじゃん。重くないでしょ?」

「そういう問題じゃねえし周りの目が気になんだよ。オラ、降りろ」

「私は別に気にならないよ?」

「お前はな。俺はちげーの。」

「……ちっちゃい男、」

「振り落すぞ」

「こわーい!」


とぎゃはぎゃは笑ってもっとシカマル先輩に巻きつく。
すりすりと首筋にじゃれつくと、シカマル先輩は「だーかーらー!」と呆れた声を出すので、少しむっとした。
そこまで嫌がらなくてもいいじゃん!
意地になって首に巻きつく腕を強めるとまた苦しかったようで先輩は私の手をパンパン叩きだした。
慌てて手を緩める。


「ギブギブ!」

「あ、ごめんね?先輩」

「たく。ホラ降りろよ」

「………いやだ。」

「あのなあ、」




「シカマルー!」



すると向こうから先輩を呼ぶ声が聞こえた。
二人して声のする方へ顔を向けると、そこには先輩に手を振って駆け寄ってくるいの先輩。



「いの、」

「ちょっとなにしてんのー!次、移動教室…って、またあんたぁ?」


背中に乗っている私をいの先輩は呆れた顔で見る。
その顔に私は少ししゅんとして、大人しくシカマル先輩の背中から降りた。


「べ、別にいいじゃないですか…」

「おい、なんでいのが呆れるとお前しょげんだよ、」

「あんたシカマルのどこがいいわけー?」

「お前それ俺の前で言うか」

「からかうと可愛いところとか、」

「可愛い言うな」

「からかうと可愛いー?なまえ、あんた変わってるわね」

「いの先輩だってうちは先輩をストー、」

「また言うか!ゴラ゛ァ゛!」

「ごごごめんなさい」


ギロリとそりゃあもうギロリと睨むのですぐさま謝った。
いの先輩は「はあ」とため息をしてシカマル先輩の腕をグイっと掴んで、
「あ…、」なんて思っていると、いの先輩はそのままシカマル先輩を引っ張っていく。


「私たち移動だからこいつ連れて行くわ。あんたも教室戻んなさいよー!」




返事をするにはもう遠い距離まで行ってしまって、
聞こえないのはわかっているけど、「はい…、」とポツリと呟いて。
シカマル先輩といの先輩の後ろ姿を眺めた。





「いいなあ、いの先輩は…」


私がもし2年早く生まれていたら、
シカマル先輩と、ああやって一緒にいれたのに。
ああいうの見るといつもいの先輩が羨ましいって思っちゃう。

シカマル先輩の隣が、私だったらいいのにって…、


私は無条件じゃ、一緒にいれないもん。









なんて、そんなこと考えてもしょうがないのに、






































「よ、なまえ」

「…あ、シカマル先輩」

「……、」


放課後、帰宅しようとしていたとある廊下でばったりとシカマル先輩に遭遇。

シカマル先輩から話しかけてくるなんてめずらしい。
あ、いや、いつも見つけたら私からすぐ声かけるから、話しかけられることなんてなくて、

だからつまり…、こんな近くてにいたシカマル先輩に気づかなかった自分に驚いてしまって。




「どうしたよ。元気ねーな」

「そ、そうですか?」

「なんかあったのか、」

「………なんに」


なんにもないです。って言おうとした、
けど、急に頬が痛くなった。何故って、シカマル先輩に両頬をつねられてしまったから。


「い、ひゃい!」

「嘘つくんじゃねーよ」

「うひょひゃないひゃい!」

「なんつってるかわかんねーわ、」


いつもより眉間を寄せて私を見るシカマル先輩になんだかゴクリと唾を飲み込んでしまう。
なんだか、緊張している。私。
だってシカマル先輩、すごくなんか、心配してくれてる。


「先輩…、」

「たく、言え」


やっと離されて、痛む頬を少しさすった。

なかなか口を開かない私に先輩を痺れを切らして、ギロリと睨んでくる。




「だだだだだっていの先輩が羨ましくて…!」

「…ああ?いの?なんだそれ、」

「…だから、」

「なんだよ」

「……だから…その…、」

「……」

「私…早く生まれたかったって…、シカマル先輩とずっと一緒に…い…れ…るからっ…て、」

「…!」


徐々に小さくなっていく声。次第に私の顔も俯いていく。
こんなことを言ったら、シカマル先輩はいつもみたいに呆れてため息をしてそんで「お前はバカか」って言うに決まってるもん。


「はあ、」


ほら。




「お前はバカか」

「…やっぱりそう言われると――――!」


と、言いかけた時。
腕をひっぱられて、それで、それで…!
シカマル先輩にぎゅって、抱きしめられてしまった。




「せせせんぱい!?」

「安心しろ、」

「え?」



「俺、年下好きだからよ」










cuddle











「ロ、ロリコン…!?」

「ちげーし、なんでそうなんだよ」










→あとがき

1万HITアンケートにて、
「学パロ」
のシチュ内容を元に書きました!
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