I want to




「カカシ先輩、」

「おーなまえじゃないの。」

「これから任務ですか?」

「まあね、」

「お疲れ様です」


これから任務のカカシ先輩を引き留めるのもあれなのでその場から去ってもらおうと、そう言って頭を下げた。
カカシ先輩も手を上げて私の横を通りすぎようとした、けど。
その足は遠慮がちに止まって、ゆっくりと振り返る先輩。


「あのさあ、」

「……?」


振り向いた先輩はうろうろと目を動かしている。なにか考えてるようなそんな顔。
私に何か言いたいことがあるのだろうか…、
そう気づいてなるべく言いやすいように笑顔を浮かべてみる。


「なんですか?」

「いや、なんていうかさ。」

「はい」



引き続き笑顔で頷く私にカカシ先輩はしばらくの沈黙。
その間先輩は頭を掻いたりとなんだかもじもじしてるように見えて、少し驚いた。
だってそんなカカシ先輩見たことないんだもの。こんな姿見たらテンゾウもきっと驚いて「先輩熱でも…、」なんて言い出しそうな。そんな感じ。





「先輩…?」

「あ、すまないね」

眉を下げて苦笑いする先輩になんだか様子がおかしくて首を傾げてしまう。
けど、すぐにあることを思い出して「あ、」と声が出た。

「先輩、任務!任務いいんですか?」

「あ、」

「ナルトくんたちきっと待ちぼうけてますよ!」

「あーあいつらうるさいからな、そろそろ行かないとまずい、か」

「早く行ってあげてください」

「そうするよ。引き留めて悪かったね、」

「いいえ!あ、でも私に何か用事があったんじゃないんですか…?」

「ううーん、」

「私はいつでも聞きますからいつでも言ってくださいね!」

「あ、そうお…?」

少し可愛らしく聞き返すカカシ先輩に思わず笑みが漏れてゆっくりと首を縦に動かした。


「だったら来週の15日さ、」

「はい。」

「俺の誕生日だったりして、」

「え!そうなんですか!?」

「うん、まあなんだ、で、」

「おめでとうございます!」

「あ、はは。まあおめでとうとかって歳でもないんだけどな、」

「そんなことないです!わー、そうなんですね!」

「あ、で、そのなまえ、」

「じゃーなんかお祝いしなくちゃですね!」

「いやあの俺の話………え!?」

「ガイ先輩とテンゾウとアスマ先輩と、あ、ゲンマ先輩も呼んで!」

「あー、二人っきりじゃないのね、」

「え?」


ポツリ呟く先輩の声が聞き取れなくて、舞い上がった気持ちを抑えてきょとんと聞き返した。
するとなんだか複雑そうな面持ちで私を見るカカシ先輩に余計に首を傾げる。


「ありがとな、うん。楽しみにしてるよ」


私が戸惑ってるのに気が付いたのか、まだ眉を垂らしてるもののニコリと微笑まれて優しく頭に手を置かれた。
ゆっくりとポン、ポンと手が置かれて、
なんだかそれが嬉しくて口元が緩む。



「楽しみにしてて下さい!」

「そうするよ。でもその前に、」

「なんです?」

「…二人きりで祝ってほしい、とかなんとか」

「………え!」


驚いて思わずカカシ先輩の顔を凝視すると、先輩はすこし私から目を逸らして遠い方を見ていて、ちらりと見える髪の隙間から赤く染まってる耳が見えた。
それを見て私もつられて頬が赤くなるのを感じた。


「ま、これがなまえに言いたかった事で」

「え、あのその…、」

「無理ならいいから」

「む、無理じゃないです!」

「……そ、うか」

「…………来週楽しみです」

「…お、俺もだよ。」










I want to











「あ、せ、先輩…、」

「な、なに?」

「任務は……」

「ああ!しまったこれはヤバイぞ、」














→あとがき

カカシ先生!お誕生日おめでとうございますヽ(゚∀゚ )ノ


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