キスしてみる?




「シーカマルぅ〜、あっそびーましょー」

「かーえーれー」



シカマルん家の玄関の前で叫んでみるとすぐに扉の奥から微かに声が聞こえた。


いや、まさか聞こえてるなんて。いや聞こえるようにいったんだけどさ。


と、ちょっとびっくりして反応に遅れてしまった私はすぐさま我に返りインターホンを一回、また一回と押し続けた。




ピンポーン

ピンポーン


ピンポーン



ピン―――







「だあああああ!うっせーなお前!」

「シカマル。あっそびーましょー」

「だから、かーえーれーっつってんだろ、」

「なんで?」

「疲れてんだよ俺は」

「なんで?」

「なんでってな、俺はここんとこ任務任務で五代目にコキ使われて疲れてんだよ。今日も夜勤で、昼間は久しぶりの休み。だからお前と遊んでる暇なんてねーの。つーわけでどうぞお帰りくださいっと、」



私に喋る隙を与えず一方的にまくし立てたあと、そのまま扉を閉めようとするもんだから、私は扉の隙間に足を入れた。



「おま、怖ぇことすんな!帰れ、アホ」


シカマルは足で私のつまさきをグイグイ押しながらドアを閉めようとする。






「やだやだ!せっかくここまで来たのに帰りたくないぃ!」

「知るか!つか早く足出せっ」

「やだあー!遊ぶ!遊ぶの!遊んでー!」

「なんで俺がなまえと遊ばなきゃなんねーんだよ、違うとこ行け!」

「なんでそんなこと言うのー!遊んでよー!」

「だー、めんどくせー!お前彼女でもなんでもねえんだから構う義理ねえっての、」

「じゃあ彼女にしてよ!」

「な、…………はあ?」




と先ほどまで扉の閉め開け合いが繰り広げられていたのに、シカマルはピタッと扉を閉めるのをやめた。というより固まってしまった。





「な、なんつった?」

「彼女にしてよって」

「へえ…」

「彼女にしてくれんの!」

「嫌だっつーの」

「えー!なんで?」

「なまえとなんか付き合ったら疲れるからに決まってる」

「疲れないよ?」

「実際今疲れてるからな俺、」

「うそー」

「………」

「あ、じゃあさ!お試しサンプルは?」

「なんだそれ」

「うーんと」

「ねえのかよ!」

「うんっとね、………あ!」










キスしてみる?











「アホか。するわけねーだろ、帰れバカ」

「えー」












→あとがき

なかなかちゅーしてくれないシカマルさん。


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