お手軽に頂きます。




「…なんだよ」

「うわっ!」



チャンスだと思った。だって寝てるんだもん。だれだってそう思うでしょ。

だから、寝てる隙にシカマルの唇にロックオン★しようとしたら!

そうだよ。あと数センチで…

目、パチクリ開けちゃうんだもん。

ざーんねん…。





「おま、怖えーんだって!」

「なんでー。ちゅうぐらいさせてくれても良くない?減るもんじゃないし」

「お前だったら減りそうな気ぃするわ」

「なんでー!つーか起きてたの?」

「嫌な予感がしてよ…、」

「嫌な予感って!失礼ね」



ぎゃんぎゃん怒ると、シカマルは呆れた顔で起き上がった。





「お前なあ、一応女のお前が男を寝込み襲うってどうよ」

「一応じゃないよ。女だよ」

「だー!うぜー!」



無駄な返しにシカマルはヒステリックに叫んだ。
キーンとした耳を押さえると、その姿もシカマルには気に食わなかったようだった。





「ウソだよウソ。ごめんね」

「ふん。もーお前あっちいけ」

「いーじゃん。私だって誰にだってこんな事しないよ?」

「そりゃそうだろうな」



と、サラリと流されて私は「ぶー」と口を膨らました。
そしたら、「そんなことしても可愛くねーぞ」と言われてしまった。




「つかそんなこと言われてもなキュンともスンとも感じねえよ」



「スンって感じるの?」


またも私の無駄な返しにシカマルは大きく目を開けて、そのまま眉をグッと寄せた。



「あー!めんどくせー」











「んー?シカマルどうしたの?」


声がするほうに私とシカマルは顔を向けると、いつもの屋上の階段を上がりきってこちらに来るチョウジの姿。






「あ、チョウジくん、こんにちは!」

「こんにちは、なまえちゃん!今日もシカマルと仲良いね」


「お前それ本気で言ってんなら怒るぞ」

「ちょー!チョウジくんにあたるのはやめなよね!」

「お前まじ黙ってろ。すげームカついんてんだからな俺。わかってねーだろお前」




眉をグググと寄せて、私をコロしちゃうじゃないか!ってぐらいの勢いで睨んでくるシカマル。
そんな顔もまた素敵★



ニコニコ笑ってシカマルを見返すと、シカマルはため息をして自分のおでこに手を当てた。





「もーこいつやだ」

「シカマル、もうちょっとなまえちゃんに優しくしてあげなよ」

「ねー?」



「こいつにどう優しくすんだよ。そんなんしたらまたうぜーんだぜ。あー考えるだけでもゾっとする」

「ゾクゾクしちゃうの?」




「………チョウジ、俺胃が痛えよ」



「それは大変!病院行かないと!」


「うるせーお前に言ってねーし、チョウジに言ってんだし」


「心配するのは私の勝手でしょー。あ、カラスの歌じゃないよ?」


「チョウジこいつどうにかしてくれよ頼むからさ、」

「ううーん。ボクもそれはできないかも……、」




「なにさなにさ!シカマルがちょっとちゅーしてくれたらよかった話で…」


「………お前なあ、」

「ちゅうー!?」



口を尖がらせて両手の人差し指をツンツンしていると、
横で頬を赤らめているチョウジくんを軽く小突たシカマルがそりゃあもうすごい顔で私を見ていた。






「誰がお前なんかに唇やるか」

「ちょーだいよ!」


「死んでもごめんだな、死んでまともになってから出直してこいよ」






「死んでまともになればちゅーしてくれる?」


「……………やめろ。お前まじな顔すんな。」


「いやーん、し・ね・な・い」


「………………あ、俺が死ぬかも、あーもう頭いてー。」




両手で頭を抱えるシカマルにニコニコと近寄れば、隣でチョウジくんが苦笑いでシカマルの肩に手を置いた。




「シカマル、ちゅーしてあげなよ」

「は"あ"!?おま、なに言って…」

「じゃないとなまえちゃん今日は解放してくれないと思うけど、」


「…………でもイヤだ」


「なんでそんな嫌がるのー?」




「お前のことが好きじゃねーからだ!」





「………………」




「…………あ、いや…、」

傷ついた顔をして俯いてみれば、シカマルはしまった、と頭をポリポリかいていて、
そのまま黙りこくっていれば、シカマルは少しかがんで私の顔を覗いてきた。








「……あーちょっと言い過ぎた…、悪かったな」


「……………」


「聞いてんのか?」




焦った顔で私の顔をもっと深く覗き込んできたので、私はこれ見よがしにシカマルの顔をガシっと掴んだ。




「な!」


「ちゅーしてくてくれたら許してあげる」


「………離しやがれ」


「やだ」





グググと手に力を入れてシカマルの顔を近づけようとすれば、必死にシカマルも自分の顔に力を入れて抵抗する。




そんな私たちの横でチョウジくんは困った顔で後ずさりした。





「ボ、ボク、お邪魔みたいだし、行くね」


「あ、チョウジ!コラお前、邪魔じゃねーぞ、助けろ!」

「うん、またねチョウジくん」





「待てチョウジ!行くなあああああああ!」




時はすでに遅しのようで、チョウジくんはあっというまに屋上の階段を下りて行ってしまい、


シカマルの声はただ虚しく空振って、この空間は私とシカマルと二人きりとなった。




それに、チョウジくんがいなくなった今、私のほうが優勢。






「シカマル、覚悟!」

「や、やめろ……」








チョウジくんという助けがなくなったシカマルはショックで一瞬気を抜いていて、
私はそれをチャンスに、自分の顔にグイっと引き寄せた。










お手軽に頂きます。













「……ちゅ!」


「……や、やられた………」



「シカマルの唇ゲッツ!」



「おま、まじこえーわ」










→あとがき

ただただギャグヽ(゚∀゚ )ノ


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