終電




―――ガタンゴトン

揺れる終電の電車の中で私はウトウトしていた。




「眠いか?」

横から小声で聞いてくるシカマルに私は小さくコクリと頷いた。





只今、皆で飲み会帰りの途中。
さっきまで皆でワイワイ飲んでいたから酔いも程よく冷めてとても眠い。





「お前、どこの駅に降りんの?」

「…K駅」

「じゃあ起こしてやるから少し寝とけ」


「ん〜…、」



眠たさでうまく返事をできないでいると、耳元から微かに心地よい笑い声が聞こえた。



「まじで、眠たそうだな」



シカマルには珍しいほどの優しい声が聞こえる。
私の意識はそこで、途切れた。




























「寝てんのか?」

「ああ」



微かに声が聞こえて、うっすらと意識が戻り始めた。






「なにお前らイチャついてんの?」


「でかい声出すな。起きんだろうがコイツ」




………イチャつく?

寝ぼけた頭で浮かぶ、キバとシカマルの会話。
なんの話をしてるのだろうか…、



重たい瞼をそっと開けると、視界が斜めに映っていて、










「あ」

キバの声にシカマルが「あ?」と声を漏らす。




「ったく、キバ、」

「え、俺のせいか」

「そうだろ、お前が話かけてくっから」






………ん、ちょっと待って。
どうしてここまでシカマルの声が耳元から聞こえるんだろう。

しかもさっきから、視界が曲がっているし…、


首も曲がってるような、





……………あ、!







「ご、ごめん!」

「あ、いいんだよいいんだよ」



慌ててシカマルの肩から顔を上げて少し離れる。

すると何故か返ってきたのはキバの声。




「コイツ、自分からなまえの頭引き寄せてたから」

「え、」




「こうやって」なんて言いながら、ご丁寧にジェスチャー付きで説明してくれるキバ。
それが余計に恥ずかしくて、思わず顔を俯いてしまう。




「おま、!」

「なんだよ、ほんとのことだろー?」



呆れた顔でシカマルを見るキバを、怒った顔で見るシカマル。



「やらしーよな、コイツ!」

にししと笑うキバに、シカマルは眉間をグッと寄せてキバを睨んだ。




「お前黙ってろ!」

「なんだよ、そんな怒んなよな」

「もうあっちいけアホ」

「はいはい、わかりましたよー」



キバは手をひらひらさせて、向こうの方で座っているナルト達のとこに向かった。







「シカマル…、あの、ありがと」

「あ、あーいや…、別に」



ちょっと困った顔で頬をポリポリかくシカマルに思わず笑みが漏れた。





「シカマルって、意外に優しいんだね」


「意外って…、お前なあ」


「しかも、テレたりするんだ」


「おま!、……もう寝てろ。めんどくせーから」










終電











「…また肩借りていい?」

「ドーゾ」


「えへへ」



「………お前も意外に可愛いぜ」



「え、なんか言った?」

「うるせー、さっさと寝ろアホ」







→あとがき

やっぱシカ様は男らしい!


------------


最後までありがとうござます!


よろしければポチっと。





[←戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -