酔っ払いオジさん




「カカシさあん!起きてくださいよー」



私は半べそになりながら意識が弱まってるカカシさんを激しく揺さぶった。



かれこれ四時間も居酒屋で飲んでいた私達。

さっきまでアスマさん達もいたんだけどいつの間にかいなくなっていて、気がつけば酔いつぶれているカカシさんただ一人。





「んー。ムフフ。起きてるよ」


気持ち良さそうな顔で私の肩を叩く。…ああダメだ。




「帰りますよ!ホラー!立って下さいよお!」



なんで私がカカシさんの看病しなくちゃならないんだ…。

てかこの人酒弱かったのか!あー、だからみんなさっさと帰っちゃんたんだな。くそー!




「カカシさん。頼みますから!」



必死で叫ぶもカカシさんには伝わらずただ気持ち良さそうに笑っている。




もう!とうなだれていると、カカシさんが突然私の顔をジッと見つめてきた。酒のせいで頬が少し赤い。かんっぺきに酔っ払いの顔だ。




「な、なんですか、」

「なまえちゃーん」

「うわ!」


ガバッとカカシさんは私に抱きついてきて、それは徐々に力が強くなり剥がすことができない。





「ちょいちょい!カカシさ、あコラ!どこさわってんですか!」

「え、なにー?」

「なにじゃない!ちょ離して下さいよ」





こんの、セクハラ親父め!!…う、く苦しい…!!





男性の力とは時に凶器だと思いながら苦しみと戦っているとカカシさんはパタっと動かなくなった。

まさか死んだか。と思ったが耳元でスースーと聞こえるので残念ながら生きているみたい。




「って寝るな!」


叫んでみるものの、カカシさんは私をギュッと抱きしめたまま私の肩の上でスヤスヤのお寝んねタイムに入られたようだ。




「嘘でしょ…」





私は必死でもがいてみたけれどどうやら起きる気配はない。



どうしよ。
男の人にこんなにキツく抱き締められたことがないのに。よりにもよってカカシさんに私の初体験を奪われるとは…!


光栄さ!ああ光栄だ!カカシファンに見られたらリンチ確実だぜ★

死を覚悟するかのように私は一人おかしな妄想を膨らました。



もうどうにでもなれ!私もカカシさんの肩をお借りして寝てやる!それで朝になってせいぜい慌てて私に謝ればいい!




自虐的になり私は抱きしめられてるカカシさんの肩に頭をトンと置いた。

もーいー、なんか疲れた。




私はぐったりと目をゆっくり瞑ろうとした。すると、個室の扉が急にガラガラと開いたのだ。







「なにやってんだ」



開いた扉に立っていた人物と目が合うと私は口をパクパクさせた。




まさか、こんな体制を居なくなったはずのアスマさんに見つかってしまうとは、


ニヤニヤ立っている猿飛アスマに今度は違う意味で頭を唸らした。









酔っ払いオジさん












「ちが!これはですね」

「いつの間にそんな関係になったんだお前ら」

「だから違うっての!」









→あとがき

カカシはお酒弱いと思うんだ私。


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