ずっと傍にいよう




「どうしたのよ、なんかあった?」

「え?」




任務中で里を留守続きしているカカシから電話があった。


なんでも任務で訪れた里の宿から掛けているらしく、


カカシがそんな他国から連絡してくるなんてめずらしくて、なんか変な感じ。


なんて言うと「たまにはね」なんて言葉が返ってきたので、笑い返したら先ほどの言葉が発せられたわけで。





「え、なに?急に…」

「死んだような声してるよお前」

「そ、そうかな?」

「まじで、どうかしたか」


本気で心配してくれている、そんな声。でも、カカシは任務続きで疲れてる、甘えるわけにはいかない。





「任務でちょっとあっただけ、別に大丈夫だよ」


頑張って明るく答えた。こういう時、電話だと助かる。私は、嘘が顔に出るみたいだから。なのに、




「ハイ、嘘。」



「…………」



あっけなく見破られる。





「大丈夫じゃないでしょ」

「…嘘じゃないし」


「なまえねえ…、なんで俺に嘘つくかね。言っとくけどバレバレだから」


「………カカシ、」




「お前が嘘をつけばつくほど逆に心配するでしょ」


「…ごめん、」


「これでもオレ、ずっとなまえのこと考えてるんだよ、こう見えて」



電話だからかな、カカシがこんなことめったに言わないのに……、そんなこと言われたら私、





「カ、カシ」

「ん?」




「なんか、うまくいかないや……。今日の任務へましちゃって…、迷惑かけた」

「そうか」


「もう、自信ない。もちろん頑張りたいよ。頑張りたいけど、怖い…」


「…大丈夫、お前なら大丈夫だよ」


「そうか、な?」



「うん。だってなまえ、すごい負けず嫌いじゃないの」

「…………」


「お前のそーゆーとこ結構好き。…なんてな」



少しテレた声が聞こえて思わず笑みが漏れた。




「カカシ、ありがと」



「んー?ま、元気のないなまえチャンに頭ポンポンしてやろうか」

「できないじゃん」


「うん、だからオレの手のひらの感触を思い出してだね…」

「なにそれキモい」

「キモいなんて言わないでくださる?」


「あはははは!」



気がつけば私は笑っていて、電話越しのカカシも楽しそうに笑っていた。




やっぱりカカシはすごい。
カカシの言葉でこんなに元気になれるなんてさ…、それほど私にとってカカシが大きいってことなんだ。
改めて、感じさせられる。










「ま、あれだ。本当に嫌なら辞めたら」



「え、」




「俺が嫁さんにもらってやるから」



「……………」




「うん、そうしなさいよ。」

「う、うそ…」



「バカだねキミは。嘘で言うわけないでしょうが、プロポーズなんだし」




「プロポーズって……、電話で言うそれ」


「ま、なんだ。帰ったら帰ったでちゃんと言うよ」



「カ、カシ」




「だから、俺と結婚してくれますか」





「………カ、カシ!」



「ん、?」





「早く帰ってきて、」


「りょーかい」








ずっと傍にいよう











「おかえり、カカシ」

「ただいま、なまえ。あのさ、俺と、」







→あとがき

甘いのは大好物です。


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