「絶対防御、それが今貴女が身につけた力です」
『ふる・・・がーど?』
「精神的に安定している状態なら必ずその壁は作れます。まあ、戦闘において安定していられるかってのはナマエサン自身にかかってきますがね」
体力をすぐに回復する薬があります、と上へ戻ろうと言う。とてもじゃないが歩ける状態ではないので後で戻ると伝えると、「早く帰りたいでしょう」と言われ抱きかかえられた。なんという速さか、一瞬で店内に戻ると薬を口に入れられる。みるみる内に元気が湧いてきて気づくと自分で立っていられた。
「とても効くでしょう、この薬。アタシが作ったんスよ」
『浦原サン・・・本当に何者ですか、一瞬でここに戻ってきたり回復薬作ったり・・・』
先ほども技術ナントカで研究してたって言ってたしこの類も同様なのだろうか。しかし、それを考えると同時に一護の霊圧をダイレクトに感じた。修行場から戻って地上へきたからである、心配なのは今も変わらない。礼を述べるとその脚で急いでこの場を後にした。それにしてもあの黒崎という男を気遣いながらよく修行に耐えられたものだ。顔色でわかる、どれだけあの男を心配していたか。何が精神的に安定していたら必ずその壁は作れます、だろうか。自分で言っておきながら笑ってしまう、彼女はさきほどかなり不安定だった筈。
「虚・・・スね―」
ヒシヒシと感じ取れるその感覚は虚の物だ。それに弱々しい霊圧がきっと黒崎一護のもの。そして先ほどまでここにいた彼女もそちらへ向かっている。
「無茶はしないで下さいよ・・・」
(無事でいて、一護)
(いつの間にか随分と成長したっスね)
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