6月6日 23:15
ご飯も美味しく頂いてお互いお風呂にも入ってリビングでゆったりお話してみることになった。
「ていうか誰だ」 「酷いなぁ、ボクだよ僕」 「いや嘘だろまじか…」
私は今日化粧の怖さを知った。(いろんな意味で)
「ていうかそもそも何で我が家に来たの?」
私の問いにヒソカは少しだけ首を傾げて、にっこりと笑った。
「恋人どうしになるためだったりして☆」 「…いま私は確信した。きっと出会う前から、私はお前のことが大嫌いだったと」 「おや、酷いなぁ」
くすくす笑うピエロもといヒソカ。無駄に整った顔がペイントがない所為でモロに見えてしまって心臓が煩くなる。 くっそ顔だけはいいやつめ…。
「あ、もしかしたら僕のお願いが原因かも?」 「お願い?」
思い当たる節があったのかヒソカはくるくるとトランプを回しながら私の隣に座った。
「強くて、ずっと殺し合いができて、綺麗な恋人が欲しいなって☆」 「うわダメだコイツ末期だ」
なんか言ってること意味わかんないけど仕方ないよなヒソカだし。 まだ会って1日も経ってないのにもうそう言ってしまえる自分も恐ろしい。
「しかし何であんたなんかの願いが叶いそうになったのかな? 「僕の誕生日だからじゃないかな?」 「は?」
ぱちくりと目を瞬かす私と、にこやかな笑顔を絶やさないヒソカ。 え?誕生日なのコイツ?
6月6日 23:45
「はい」 「ありがとう◆」
ちょっと手抜きだけどアイスボックスクッキーの生地が残ってたからクッキーを作ってあげた。
「うん、美味しいよ☆」 「お粗末様」
もうほとんど誕生日終わってるけどね、と呟いた私にヒソカはクッキーをかじりながらまた近付いてきた。
「いや、嬉しいよ◇こんな風に祝われたのは初めてだし」 「…へ?」
飄々としてるけど、実は寂しい人なのかもしれない。
「じゃあ、また私が祝ってあげるよ」 「え?」 「毎年。祝ってあげる」
ぽかんとした顔のヒソカは一瞬とろけるような笑みを浮かべたと思ったら、私の頭をくしゃりと撫でた。
「僕シンデレラだけどいいの?」 「いいよ。毎年この時間だけ来ればいいじゃん」 「…それ以外の時も一緒に居てくれないのかい?」 「さあね。それはわかんない」 「酷いなぁ」
お互いの肩に頭を乗せてぽつりぽつりと話す。
「ヒソカ、お誕生日おめでとう」 「…ありがとう」 「いーえ」 「なまえ、」 「ん?」 「欲しいものがあるんだ。くれるかい?」 「なに…?んっ、」
6月7日 00:00
日付が変わった時計の音と共に、ピエロは私の唇を奪って消えてしまいました。
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かなり急いだ所為で結構な無理矢理感がありますが…。愛はあります。 ヒソカお誕生日おめでとう!新アニハンも好きだけどやっぱり変態っぷりが突き抜けてた初期が大好きです。
20120606 ミツナ
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