「ふあぁー…」 力なく欠伸をすれば、いつの間にか目の前に立っていた数学の先生に教科書で勢い良く頭を叩かれてしまった。ぱこん、といい音がして、私はこてんと首を傾げる。 「…せんせーい、暴力反対でーす」 「全くお前はいつもいつもいつもいつも…!!!何回注意すれば居眠りしなくなるんだ!!」 顔を赤くしてお説教してくる数学教師(清水先生)は、他の先生たちとは違いとにかく授業中の素行や態度に厳しい。 そういう細かいことねちねち怒ってるから未だに独身なんだよせんせー、と教えてあげたいところだが、今の先生にそんなことを言っても余計に怒られるのは目に見えてるので言わないでおいてあげよう。 「おい!!聞いてるのかみょうじ!!」 「はいはい聞いてますってー…」 「そう言いながら机に突っ伏すなぁ!!」 がみがみと怒鳴る声が煩くてどうせ寝れませんって、と返そうと顔を上げた途端にチャイムが鳴って、清水先生はプンプンしながら教卓へと戻っていった。 その後姿を見ながら、視界の隅で体を起こした"彼"を見つめる。 「あ、寝癖…」 ぴょん、と少しだけ跳ねた前髪を見つけて、思わず呟く。だけど、私と彼の席はそんなに近くない上に、授業後ということもあって煩い教室の中では私の声なんかが彼に届くはずもなかった。 授業が終わったことに漸く気付いたらしい彼は、ぼんやりとした顔で机から顔をあげる。そして、自分の寝癖にも気付かないまま、いそいそと準備をしてぴょこんと髪を揺らしながら嬉しそうに部活へと駆けていった。 「黒子テツヤ…ねぇ」 何故だか周りに認識されづらい、影の薄いと言われる彼の背中をしっかりと見届けると、部活にも入ってない私は帰るために重い腰を上げた。 私は、よく授業中に居眠りをして怒られる。 でも、私以外にも居眠りしてるやつがいることを、つい最近私は発見してしまったのだ。奴の名前は黒子テツヤ。私と同じか、それ以上に爆睡してるくせに、何故だか周りに気付かれない。くそう悔しい。何で私だけ怒られなきゃなんないの。 そんな風に彼の存在に気付いてからは、大体いつも彼を目で追っていた。 寝るときはちゃんと教科書立ててるんだ、とか、結構強いと有名な帝光バスケ部に所属してるらしい、とか、彼を見ていていくつかの発見はあった。 だけど、どうしてあんな風に回りに気付かれないように居眠りできるのか、その秘密は全く分からなかった。 なんなのアイツ忍者なの??なんて思ってしまったことも、一度や二度ではない。 「やっぱり…本人に聞くしかないよなぁ」 私だって、あんな風に誰にも邪魔されずに居眠りしたい。 そんな邪な考えを抱いたまま日々彼を観察していた私に、その日、とうとう絶好のチャンスが巡ってきた。 「…よろしくお願いします」 ガタガタと机を移動する煩い音の中、ほとんど聞こえないくらいの小さな声が隣から聞こえてくる。もしかして、なんて思いながら勢い良くそちらを向けば、そこにはやはり想像通り彼の姿があった。 ただでさえ影が薄いのに、少しだけ小柄な彼は背を丸めて重そうにずりずりと机を私の隣に移動させる。ぼんやりとしたまま何も言えないでいる私とぱちりと目が合うと、ペコリと頭を下げながらもう一度小さな声で挨拶をしてきた。 「あの、よろしくお願いします」 「あ、うん。さっきも聞いたよ」 「…そうなんですか。てっきり、またいつもみたいに気付かれてないのかと」 淡々と表情を変えずにそう言う彼はなんだか感情が読めない顔をしていた。そんな彼の表情を崩してみたくて、私は彼に向かってずいと顔を近付ける。 「よろしく、居眠りの達人くん」 悪戯っぽく笑いながらそう言ってやると、黒子くんは目をまん丸くして驚いたような顔を見せてくれた。あ、この顔は初めて見るな、可愛い。 「…僕のこと、気付いてたんですか?」 「あんなに堂々と毎回寝てたらそりゃ普通気付くでしょ。なのにみんな気付かないし…」 「…そう、でしょうね。普通は、気付かないですよ。僕のことなんか」 少しだけ俯きながらぽつりとそう零す黒子くんの手を反射的に両手で掴んでしまった。黒子くんはさっきよりもっとびっくりした顔で、ぽかんと口を開ける。 「それ!その技、私にも教えてくれないかな!?」 「…え?」 「私も、誰にも邪魔されずに居眠りしたいんだよね!」 やっと聞けた!!とテンション高く喜ぶ私とは反対に、黒子くんはしばらく呆気にとられたような顔で固まっていた。やっぱり、ああいう技は他人には簡単に教えられないのかな。断られたらどうしよう…。 なんの反応も返してくれない黒子くんにそろそろ不安になってくる。とりあえずなにか話すべき?なんて思って口を開こうとすると、突然目の前にいる黒子くんの肩が震えだした。 …やばいこれ、怒ってる?? 「あーその、ごめ…」 「くっ…」 「へ?」 「っ、はは、すみま、せ…っふ、笑い、止まらなくて、」 「…え??」 怒ってると思って謝ろうとしたら、何故か黒子くんは笑っていた。しかも結構爆笑してる。笑いを堪えきれずに口の端から震える声が出てくる。…私、そんな変なこと言ったかな?? 「っはー…苦しかった。久しぶりにこんなに笑いました」 「そうなんだ、えーと…良かったね?」 「ふふ…はい。ありがとうございます」 笑い終わった黒子くんはなんだかすっきりした顔で私にお礼を言ってきた。いやいや、あんな可愛い笑顔見られて得したのはこっちですよ、なんて心の中で答えてみる。 黒子くんの笑顔なんてもちろん初めて見た。 いつも大体、無表情かなに考えてるかわかんないぼーっとした顔とかしか見たことがなかったから、今日はほんとに新しい黒子くんをたくさん見れる日だ。 「確かに…みょうじさん、いつも居眠りしては先生たちに怒られてますよね」 「えっ!知ってたの?」 「まぁ…あれだけ盛大に怒られてれば、誰でも気付きますよ」 「えー?私が見たときは黒子くんいつも寝てるのに…いつの間に聞いてたの?」 くすくすと笑われながら言われてしまうとどうも気恥ずかしくて、拗ねるようにそっぽを向きながら尋ねてみる。てっきりすぐに答えが返ってくると思ってたら、黒子くんはまた驚いたような顔をしていた。 「なに?どーしたの?」 「…その。みょうじさんは、いつ頃から僕に気付いてたんですか? 「いつ?うーん…いつだろ。最近なのは確かだけど、あんまり覚えてないや」 なんでそんなことを気にするのかよくわからないけど、黒子くんにとってはすごく気になる質問だったみたいで、そうですか、と答える声はどことなく沈んでいた。 「あ、でも、初めて見たときの印象なら覚えてるよ!」 「え?」 なんだか黒子くんが落ち込んでしまったみたいで、私は慌てて言葉を続ける。 「私、帰宅部なんだけど、その日はたまたま放課後職員室に呼ばれちゃってさ。仕方なく先生のとこ行って、お説教食らって帰るとき、体育館の横を通ったんだよね」 黒子くんは、しっかりとこちらを向いて私の話を聞いてくれている。私はそれを嬉しいと思いながら、頭の中でそのときのことを思い浮かべながら、黒子くんに向かって話を続けた。 「そのとき、テスト週間でさ。普通部活はお休みなのに、体育館から音がするから、変だなーと思って覗いて見たの。そしたら、1人で練習してる人がいて」 見えていたのは、背中だけだった。何度も何度も、外し続けながらもシュートの練習をするその背中は、とてもかっこよくて。 「私さ、なにかに一生懸命になったことって、あんまりなくて。だから、その人見ててなんでそんなに頑張るんだろうなーって思ってたの。でもさ、なんかそれがすごく羨ましくもあって」 「みょうじさん…」 「そのときはそれが黒子くんだなんて知らなかったんだけど、それから居眠りしてる黒子くん見つけるようになって…同じ背中だなって思って、わかったんだ」 私の話を聞き終わった黒子くんはなんでかすごく優しい顔で笑っていて、さっきまでの落ち込んだような雰囲気はどこにもなくなっていた。私はそれにほっとしながらも、こんな優しい顔も初めて見たな、なんて思いながら黒子くんの顔を凝視する。 「みょうじ…さん?」 「ん?」 「あの…僕の顔になにかついてますか?」 「あっ、いやいやごめん!なんでもない!」 どうやらじっくりと見つめすぎてしまったみたいで、怪訝な顔をされてしまった。すごく綺麗な目に見惚れてたなんて言えるわけがない。 「…そういうわけで!その周りに気付かれない技、私にも教えてくれないかな?」 なんだか話が随分それてしまったけど、私の当初の目的である「周りに気付かれずに居眠りする技」について聞いてみると、黒子くんは眉を少し下げて申し訳なさそうな顔をした。 「すみません、僕は何も…。ただ地味なだけで、技なんて使ってないんです」 「え?地味…??」 「だから、教えられることは何も…」 「嘘だ!全然地味じゃないじゃん、黒子くん」 少し周りよりも小柄ではあるけど、顔は整ってるし、物腰は柔らかいし、無害そうだし。大人しい雰囲気はあるけど、決して地味なんかじゃないと思う。 …やっぱり、そう簡単には教えてくれないよね。 「…わかった!」 「え?」 「黒子くんが教えてくれなくても、私が黒子くんから勝手に技を盗むから!そのためにも、これから黒子くんの傍について回るけど、いい?」 「そ、そんなこと言われても…」 「教えてくれないならそうするんだからね!!覚悟しててね!」 ぴしりと指を突きつけてみても、黒子くんは困ったように笑うだけで教えてくれるつもりはさらさらないらしい。ようし、見てろよ!絶対あの技の秘密を見つけてやるんだから!! …そう固く決意して、早くも3ヶ月が過ぎた。 この3ヶ月、相変わらず私は授業中に居眠りをしては先生に見つかって怒られ、黒子くんは上手いこと気付かれずに居眠りを楽しむという、今までとなんら変わりない日々になってしまっていた。 「あーもう!!なんで私は気付かれるのに黒子ばっかり!!」 「みょうじさんが大口開けて寝てるからじゃないですか?」 「…黒子、アンタ最近言うようになったよね」 がしがしと頭をかく私の横で、平然と教科書を片付ける黒子テツヤ。最初はおとなしくて優しくて紳士的だと思っていたのに、ここ3ヶ月でそのイメージは全く変わってしまった。黒子くん、なんて可愛らしく呼んでやる気も失せるくらい、なかなかに酷いことを言ってくる。 「すみません。気に触ったなら謝りますけど…事実でしょう?」 「っあーむかつく!自分ばっかりばれないからって!!!」 笑顔のままさらりと毒舌を発揮する黒子に最初は驚いたけど、それくらい素が出せるほど打ち解けられたんだと思うとなんだかこれでも悪くないな、なんて思ってしまった。 「…なにニヤニヤしてるんですか?」 「ひどっ!元々こういう顔なんですー!」 そんな言い合いをしながらも、黒子は部活にいくための準備を着々と整えて、かたりと席を立った。 「さて、そろそろ僕は部活に行きますけど…みょうじさんはどうします?」 「んー…、暇だし、今日も見に行こうかな」 元々、家に帰ってもなにをするわけでもなかった私は、気紛れからたまに黒子の部活の練習を見に行ったりしていた。1軍のいる体育館には女子が群がってて怖いけど、黒子は3軍だからそんなにギャラリーもいなくて、練習してる姿がちゃんと見れてちょうどいい。 「なら、さっさと準備してください」 「あ、先行っててもいいよ?いっぱい練習したいでしょ?」 少しだけ嬉しそうな顔をしながら私を急かす黒子を先に部活に行かせて、私は後からゆっくりと第3体育館へと向かった。 「おー…やってるやってる」 今日も大勢の部員たちが汗を流している第3体育館は、熱気と掛け声と、ボールを追う彼らのバッシュの音で一杯だった。 「あ、いたいた」 自分でいうのもなんか気恥ずかしいけど、最近はすぐに黒子を見つけられるようになった。どこにいて、何をしてても、大体すぐにわかる。そうなってから、一部からは「黒子発見器」だなんて呼ばれたりして、黒子に用事がある人に捜索を頼まれたりなんかもしてる。 「ほんと、楽しそうな顔しちゃって…」 真剣に、だけどどことなく笑顔で部活に励む黒子を見るのが、最近の私の楽しみの1つでもあった。 練習してるとこを十分に見たら、私は先に帰ることが多い。黒子は大体居残り練習をするから。 だけど、その日は、帰ろうとする前に黒子に呼び止められた。 「…みょうじ、さん」 「ん?」 「今日…ちょっと待っていてもらえませんか?少し、話がしたいんですけど…」 「ん、いいよ。わかった。体育館横で待ってるね」 黒子の雰囲気に少しだけ違和感を感じたけど、その時は特に気にすることもなくそう答えた。 黒子は小さくありがとうございます、と私にお礼をいうと、再び練習に戻っていった。 「お待たせしました」 「練習お疲れさま!はいこれ、ジュース」 「あ、ありがとうございます」 自販機で買っておいたジュースを手渡して、練習が終わった黒子と並んで歩き出した。自分用に買っておいたジュースを飲みながら、私より少しだけ高い位置にある黒子の顔を見上げる。 すらっとした鼻筋と、大きめの瞳。黙ってれば普通にいい顔なのにな、なんて考えながら見詰めていると、視線に気づいたらしい黒子が怪訝な顔をした。 「なんですか?人の顔じろじろ見て…」 「イヤー?別に?」 「その言い方、なんか腹が立ちます…」 いつもより弱冠元気がない声でそんなこと言われても、痛くも痒くもないどころか逆に心配になるわけで。 「で、どうしたの?話って。なんかあった?」 ほんとは黒子が話し出してくれるまで待っていようと思ったけど、つい自分から話題をを振ってしまった。 黒子は私を通学路の途中の公園に誘うと、そのままブランコに腰掛けた。(…ほんとは、私が公園に入った途端に「きゃー懐かしい!ブランコ!」ってはしゃいじゃって、乗りに行ったから隣に来てくれただけなんだけど…。)それは割愛して。 「実は、今日…コーチに呼び出されたんです」 「え?…なんで?」 滅多に3軍の選手のことなんか気にかけないコーチが、黒子を呼び出したらしい。なんの話かと思えば、どうやらよくない話だったようだ。 「このまま…部活を続けても、1軍には絶対なれないと…つまり、レギュラーにはなれないと言われました」 「え…?」 「戦力外通告、ってことです。だから、僕には、才能がないから…頑張っても、無駄だから…辞めても、いいと言われました」 「…黒子…」 淡々と話しているようで、黒子の肩も声も震えていたし、ブランコの鎖を握る手は、強く握りすぎて真っ白になってしまっていた。 それほど、悔しい気持ちがあるのにも関わらず、黒子はへにゃりと眉を下げて自嘲する。 「僕も…本当はわかってるんです。自分に実力がないことも、体力がないことも…才能が、ないことも」 「なに、言って…」 「でも、僕はバスケが好きだから。…彼と、約束したから、バスケを続けてきたんです」 「…彼?」 「…僕の、大切な友達です」 そう言って彼のことを語る黒子の瞳はとても優しげに細められていて、ああ、ほんとにその人のことが大切なんだなあ、っていうのがひしひしと伝わってきて、何故だか私が泣きそうになってしまった。 「そっか…そんな約束が…」 「はい。だけど…」 そこまで言って、黒子は言葉を切って俯いてしまった。コーチからの直々の戦力外通告なんて、いくらなんでもショックだと思う。 「…辞めちゃうの?」 だけど、さっきの話を聞いた私からしたら、それでもやっぱり黒子にはバスケを続けてほしかった。 「辞めるのは、いつでもできるんじゃないの?」 「みょうじさん…」 厳しいことを言ってる自覚はあるし、帰宅部が何を偉そうなことを、って思われても、仕方ないと思う。だけど、私はこの3ヶ月間、誰よりも近くで黒子の頑張りを見てきた。あの3ヶ月間が無駄だったなんて、私は絶対に思わない。 「才能とかなんとか、私にはよくわかんないけどさ。バスケしてる黒子はすごく活き活きしててかっこいいし、私は尊敬してるよ」 それは、私の本音。 いつも、バスケをしてる黒子を見てるのが好きだった。練習は辛いことの方が多いだろうし、横で見ててもしんどそうな練習ばっかりで、こんな地味でつまんなくてしんどい練習なんて、私には絶対できないと思ってた。だけど、黒子はいつも、どんな練習でも、絶対に手を抜かなかった。 「いつだって全力でバスケに取り組む姿勢とかさ。すごく、かっこいいよ?」 「そう…ですか?」 「うん!それにさ、大事なのは才能とかなんとかじゃないと思うんだよね、私は」 本当に真剣にスポーツをやったことのない私には、わからない感覚かもしれない。素人目線で話しても、黒子はそう感じないかもしれない。 だけど、私はスポーツにしろ何にしろ、なにかをするときに1番大切なのは、気持ちだと思うわけで。 「黒子。…バスケは、好き?」 「っ…、」 私の質問に、黒子は息を飲んで大きく目を見開いた。薄いブルーみたいに見える黒子の瞳は、いまは水膜が張ってゆらゆらと頼りなげに揺れている。だけど、その奥にある光は、とても真っ直ぐで強いものだと感じた。 「…こら、返事は?」 ぼんやりと、なにかを思い出すように考え込んでいた黒子の目の前に立って、返事を促す。ついでにお姉さんぶって諌めるようにこつんと額を指で押してやれば、黒子は少しだけ眉を下げて、泣きそうな、ほっとしたような表情をした。 だってほら、もう答えは出てるでしょう? 「…好きです」 「…うん」 「僕は、バスケが大好きです」 「…よろしい。じゃぁ、もうこれでなんの問題もないよね?」 にっこりと笑いながらよしよしと頭を撫でると、黒子はいつも通り優しく笑いながら、「調子に乗らないでください」なんて言って私の手を頭から落とした。…うん、毒舌も元気に復活してくれたみたいで、ヨカッタヨカッタ。 「…僕、絶対1軍に入りますから」 ブランコから立ち上がった黒子が、私を見下ろしながらはっきりとそう告げる。意志の込もった強い瞳は、私の心に直接彼の熱い気持ちを訴えかけてくるようだった。 「…それでこそ、男じゃん」 「元から男ですけどね」 「はは、男らしいってことだって!…約束だよ?」 「…はい」 「先生たちのこと、見返してやろ?」 「もちろんです」 そう言って不敵に笑う黒子がなんだかやけにかっこよく見えて、顔が熱くなった私は慌てて公園から駆け出したのだった。 交わした約束 |