「…先生、まだですか?」
既に結構な時間歩いているが一向に着く気配がない。前を行く先生の背中に訊ねるとのんびりした声が返ってきた。
「まあZ組だからなァ」
「クラス数多いんですね」
Zなんて聞いたことないよなーなんて呑気に考えていると、先生は苦笑い。
「いや、実際はA〜Dまでしかなくて、次がZ」
「え?」
確かに今私たちが歩いてる廊下にはA〜D組までの教室しかない。
「Z組はどこにあるんですか?」
疑問を感じて訊ねると、先生は真っ直ぐに廊下を指差して言った。
「あれ」
「あ…」
ついと視線を送れば、そこは確かさっき外から見た時にレクチャールームだと思っていた場所。
一歩教室に入って、ぐるりと周りを見回してみる。ひび割れたガラスにはガムテープが張ってあり、黒板にも凹みのような部分があった。
どういうこと?
「3ーZってさ、実は余り者クラスって呼ばれてんだよ」
苦笑いしながらそう言う先生を見て、私は4月からの学校生活にかなりの不安を感じました。
余り者クラスの私
これから私の一年間はどうなるんだろう?