昼休みになって、坂本くんに誘われて一緒にお昼ごはんを食べることになった。集英高校の学生食堂はとても広々としていて綺麗で、流石頭の良い私立校だと感心してしまった。


「ちくと会わせたいモンが居るんじゃが、どうかのう?」

「え?うん、大丈夫だよ」


食堂で買ったAランチを手に坂本くんの後ろを付いていくと、2人の女の子が居るテーブルの前で坂本くんはぴたりと足を止めた。


「陸奥、来島。隣ええがか?」

「…構わんぜよ」

「いいっスよ」


女の子たちはチラリと私に目をやると渋々といった感じで頷いてくれた。陸奥、って呼ばれてた女の子はかなり嫌々頷いてたみたいだけど。眉間に皺を寄せて坂本くんを睨んでるし。


「来島は晋助の誕生日会で会っちょるからわかるか?」

「あ…!ど、どうもお久しぶりです」

「…来島また子っス」

「ほんで、こっちがワシの幼なじみの陸奥じゃ」

「よろしく頼む」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


最初は堅かった空気も、ご飯を食べながらぽつりぽつりと話していくと段々と砕けてきて、昼休みが終わる頃にはすっかり仲良くなっていた。


「舞、わからんことがあればいつでも聞きに来るぜよ。この馬鹿にはあまり近寄るな」

「えっと、ありがとう」

「アッハッハ、陸奥は照れ屋さんじゃのぉ〜」

「黙れモジャモジャ」

「舞、今度晋助さまのライブ一緒に聞きに行くっス!」

「うん、今度行こうね」


こっちに来てからいろいろと不安だったけど、新しい友達ができたからなんとかやっていけそうです。