今日は、高杉くんの誕生日。そうと分かれば私もなにかプレゼントをしたいわけで。うんうんと暫く悩んだ結果、とてつもなく恥ずかしいけれどお手軽なプレゼントを思い付いた。仕方ない、他にないよね。
女は度胸!と自分に気合いを入れて、まだ玄関先に居た高杉くんの背中に声をかける。
「高杉くん」
「あァ?」
振り向いた高杉くんの頬に、素早く軽く触れるだけのキスをした。突然の出来事に目を丸くしている高杉くん。
「きょ、今日は誕生日だから、プレゼントないから、代わりっ!お誕生日おめでとう!」
言うだけ言って高杉くんの顔も見ずに家の中へ走り出した。あー恥ずかしかった!
「みんな!私もパーティーの準備手伝うよ!」
「お〜、舞の手料理食えるのか」
「舞ちゃん、一緒に腕によりをかけて作りましょうね」
「あ、悪い頼むからお前だけは料理の担当から外れてくれ」
「…よ〜し!みんなでお祝いしよう!」
その後、家の中に入ってきた高杉くんにみんな揃って笑顔でおめでとうを言った。
お誕生日の高杉くん
うぜーなてめェら、なんて言ってるけど、高杉くんのほっぺたは確かに赤くなってるよ。
実は照れ屋で素直じゃないだけ?