「ところで、高杉くんのお友達?」


さっきから気になっていたサングラスをかけたもじゃも…天然パーマの男の子について高杉くんに訊ねると、高杉くんは不機嫌に眉を顰めた。


「あァ?こんな奴と友達になった覚えはねェ」

「アッハッハ、照れんでもいいきに!わしゃあ坂本辰馬っちゅうもんぜよ!隣の集英高校に通っちゅう。晋助とは幼なじみみたいなもんじゃきー」

「ただの腐れ縁だろ」

「そ、そうなんですか」


なんだか陽気な人だなあなんて思っていたら、坂本さんはポンと手を叩いて何か大きな包みを取り出した。


「そうじゃ晋助!誕生日プレゼントぜよ!」

「チッ、余計なことしてんじゃねェよ」

「全くおんしは素直じゃないのぉ〜アッハッハ!」

「プレゼント…?」


会話の中に聞こえてきた単語を思わず聞き返してしまう。え?誕生日?


「そうぜよ!今日は晋助の誕生日パーチーを「すんなっつってんだろ」

「照れんでもいいぜよ!ちゃんとみんな呼んであるきに」

「え?みんなって…」

「おーい坂本ォ〜、ケーキ買ってきてやったぞケーキ」


私が状況を理解できないでいると、聞き慣れた間延びした声と、ワイワイガヤガヤした声が聞こえてきた。振り向いた先には、よく知った顔が。


「ああ、舞はもう来てたのか」

「俺からはジュースだ。未成年だからな、酒はいかんぞ」

「んなもんいるか。気の利かねー奴だなヅラァ」

「キャッホォォ!今日はご馳走ネ!」

「うるせーやチャイナ黙りなせェ」

「晋助様ァァ!お誕生日おめでとうございますっス!」

「晋助、拙者から1曲バースデーソングをやろう」

「高杉くん、僕からは本だ。勉学に励んでくれたまえ」

「み、んな…?」


3−Zのメンバーやみたことのない人たち(多分高杉くんのお友達)がみんな手にプレゼントを持って押し寄せていた。


「よーしパーチーすんぞパーチー!」

「「「イエーイ!」」」

「待てお前ェら…!」


みんなずかずかと勝手に高杉くん家に上がり込んでいく。一連の出来事をただぼうっと見ていた私は、やっと騒ぎの原因に気付いた。

ああそっか、今日は高杉くんの誕生日なんだ。