「ん…ここ…?」
目が覚めたら目の前には真っ白な天井。
「…目ェ覚めたか」
突然の声に驚いて隣りを見ると、目の前には男の子の綺麗な顔がありました。
「っき…」
「あ?」
「キャァァー!!」
私の悲鳴がその部屋中に響き渡った。
「〜っ、耳元で叫びやがって…」
「す、すみません…」
なんと目が覚めたら保健室で、隣りにはたか…高杉くん(多分)が寝ていてあまりのことに悲鳴を上げてしまいました。
「ったく、わざわざ運んでやったのによォ」
「は、運んで…?」
「お前ェが倒れたからだよ」
倒れた、と言われ記憶を手繰る。確か高杉くんが寝てて、起きて、目が綺麗で、それで…
「あ、」
「くくっ、思い出したかァ?」
思い出した途端、また顔が熱くなる。 ききき、キスされちゃったんだよね、私。
「ったく、頬にキスごときで倒れやがって、それ以上やるときはどォすんだァ?」
「そっ、なっ!」
くく、と楽しそうに笑う高杉くんに対して私は金魚のように真っ赤な顔で口をパクパクさせることしか出来ない。い、一体なんなんだこの人は!
「で?このままここでサボっちまうか?」
かっこいい笑顔とともにするりと腰に手が回される。
「えっ、いやいやもう教室戻るからっ!」
「くくっ、なァに心配すんな、俺ァ上手いからなァ」
「なにがー!?いや、やっぱいいです聞きたくない!」
細身なのにやっぱり男の子だ、掴まれている腕の力が半端じゃない。私の必死の抵抗にもびくともしない。それでもなんだか人生で初めて自分の身の危険を感じて、必死でベッドから抜け出そうともがき続ける。
そんな私の必死さが通じたのか、高杉くんはくつくつ肩を震わせながら私を解放した。そして自分もゆっくりとベッドから降りると未だ息の荒い私の手を取り立ち上がらせてくれた。
「オラ、行くぞ」
「え?」
手を少し力強く握られて心臓が暴れ出す。ちょっとなんでいきなり紳士な行動取り出すんだ高杉くん! 少し、見直した。
「このまま屋上に行くって手もあるがなァ、」
「遠慮します」
前言撤回、やっぱり高杉くんはとんでもない不良さんだ!
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