ことの始まりは、あのムカつくクソ天パからの電話だった。


「オイ高杉ィ、お前明日から毎日学校出ないと出席日数やばいぞ〜?」

「…あァ?」


いつも通り鬼兵隊のメンバーと街でひと暴れして帰ってきた俺は、適当に買っておいたインスタント食品で腹を満たしそのまま寝るつもりだった。

喧嘩後のだるさを引きずってベッドに寝転んだ瞬間、ポケットにある携帯が鳴り響いた。もちろん面倒だった俺はシカトしていたが、何時まで経っても鳴り止む気配がない。


「…チッ。誰だよ」


仕方なく相手の確認もせずに出ると、アイツがいつものムカつく声でさっきの言葉を切り出した。


「だあーかあーら、明日から毎日学校出ねーとお前卒業できねーぞって話」

「はァ?ふざけんのも大概にしろや。ちゃんと週1で出てやってるだろォが」

「あのさァ、そんなんで出席日数足りると思ってんの?バカですかお前は」


銀八にバカと言われたことよりも、週1で学校に出ても出席日数が足りないらしいという事実が衝撃的だった。俺が黙っていると銀八は控えめに声を出す。


「…え、もしかしてお前本気で週1出れば出席日数足りると思ってたワケ?」

「……なわけねェだろ」

「ぷっ、そっか…くくっ、そうだよなあ、ぶふっ」

「オイ、笑ってんじゃねーよ。殺すぞ天パ」


最悪だった。
その後も度々笑い出す天パを殴り殺したい衝動をなんとか抑え、明日から毎日学校に出ることを渋々承諾した。