しとしとと雨の降る休日の朝、鳴り響くチャイムの音。
「にゃあお」
「はーい、来たみたいだよ」
子猫を膝から下ろし、玄関に向かう。 適当にサンダルを突っかけてドアを開くと
「いらっしゃ…」
「おー舞!」
「でっかい家ですねィ」
「酢昆布あるアルか!?」
「邪魔すっぞ〜」
「…いらっしゃい、みんな」
クラスメート(+先生)たちが全員立っていました。
「うわ〜広いんですねぇ」
玄関で立ち話もなんなのでとりあえず全員を上がらせると、キョロキョロと辺りを見回していた新八くんが感心したように声を上げる。
「元は祖父母の家だったの。今は私が借りてるだけ」
「じゃあ一人暮らしなのか?」
「うん。土方くんと一緒だよ」
みんなとわいわい話をしながら居間へ向かうと、出迎えるように子猫が出てきた。
「にゃあお」
「おー、サド丸15号」
「おいでヨ定春24号〜」
「あはは…。」
みんな意外と動物好きみたいで、それぞれが好き勝手に呼びながら子猫とじゃれている。
「あれ?桂くん?」
玄関先に居た時から、みんなの後ろにいてなんだか元気がなかった桂くんがいつの間にか居間から消えていた。確かに玄関には居た筈なのに、と周りを見回しても桂くんの綺麗な長髪は視界に入ってこない。
「どこ行っちゃったんだろ…」
だんだんと騒がしくなってきた一同を視界に入れないよう努めながら探したけど、エリザベスの横にも桂くんの姿はなかった。
なんか、寂しいな。
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