「沖田くん、よろしくね」

「よろしくなんかしなくていいアル。舞は可愛いから危ないネ!」


とりあえず沖田くんに挨拶をすると、いきなり誰かに抱きしめられた。いや、後ろから抱きつかれたと言ったほうが適切かも知れない。後ろに顔を向けてみると可愛らしい女の子が私に腕を回していた…ってかいたたたた!!


「ちょっ、すみません痛いです!」

「あ、ごめんアル!」


その可愛らしい顔からは想像も出来ないほどの力強さで私に抱きついていた女の子は、慌てて手を離してくれた。私の声を聞いてか、さっきまで土方くんと乱闘をしていた沖田くんが慌てて戻ってくる。


「チャイナ、お前は黙ってろィ」

「お前が黙るネこのサディスト。舞!ワタシ神楽言うアル。仲良くしてヨ!」


神楽ちゃんは目をキラキラさせて私に笑いかけた。ああなんだかとても眩しいよ神楽ちゃん…!


「うん、よろしくね!」


神楽ちゃんにも挨拶をすると沖田くんがズイと私を庇うようにして一歩前に出た。


「舞、こんなチャイナと仲良くしたら酢昆布臭くなりますぜィ」

「え、」


負けじと神楽ちゃんも私の前に一歩出る。
…なんだか嫌な予感がするのは私だけでしょうか。


「何を!お前なんかと仲良くしたら舞がドMになってしまうネ!!」

「元からドMかも知れねーだろィ?」

「そんなわけないネ!私が舞を守るアル!」


私が口を開く暇もないまま、どこからともなくバズーカを取り出して構える沖田くんと、どこから連れて来たのか巨大な犬に乗った神楽ちゃん。ああ、朝見た信じられない光景はこの二人だったんだ。
そんな呑気なことを考えていると、突然2人が険しい表情で向かい合った。

え、ちょっとまさか。