翔ちゃん中編 | ナノ












結局、次の日。






「おう!愁!こっちこっち!」

「お…おまたせー」




なんやかんやでオシャレして出てきてしまいました。







「や、なんか遅れてごめんね?」

「大丈夫だぜ!俺も今来たところだしな!」

「そっか、よかっ……」





よかったじゃないでしょうがぁぁぁぁぁぁああああああああ!!

なに!
もうすぐ30のおばさんが
こんな甘酸っぱい会話してて
いいんですか!?大丈夫なんですか!?

軽く犯罪ではないでしょうか。



「愁?」

「いや!大丈夫ごめん!行こうか!」

「ああ!あ、俺オススメのカフェあるんだよな!そこ行かね?」

「カフェ?いいねっ、行こう!」

「じゃ、行くぞ!ほら」

「ほらって、なに?」



手を差し出す翔に首を傾げる。

なんだろう、前金渡せ的な…?←




「なにって…その…あーもー!!///」

「は…う、わ!ちょっ!」




いきなり翔が叫んだと思うと、
手をぎゅっと握られ、素早く歩き出した。



「はぐれるといけねぇからな!!///」



そう言って、私をリードする翔に、
不覚にもドキッとしてしまった。

なんだかんだ、かっこいいんだから…


















それからオススメのカフェとやらについた。


中はとても私好みのいい感じに落ち着くデザインで、
すぐにココが気に入った。



「ここな、仲間とよく来るんだよ!ラテアートとかもすげーんだぜ!」

「へぇー!!確かにこの猫のラテアートとか可愛いもんね!」

「愁は昔っから猫好きだよなー」

「だって可愛いじゃない!てかよく私が猫好きだって知ってるね?」

「あたりまえだろ?昔っからお前のことはよく見…て、る…」

「え?」

「いやいやいやいやなんでもねーよ!?/// 早くコーヒー飲まないと冷めっ…あちちちちち!」

「あーあー、そんなあわてて飲むからだよ翔!」

「わりい…」




ほんとに翔は昔から変わらない。
負けず嫌いだし、人をよく見てるし、
それで素直で優しいイイコ。



「変わらないなぁ…」

「え?」

「ううん、なんでもない!…あ、もうこんな時間?」



時計を見ると、夕方の5時を回っていた。




「明日は早番だから、早く行かなくちゃ!」

「そっか、俺も収録があるからなぁ。今日は解散すっか!」




そういってレジに並ぶ。




店員さんが金額を教えてくれたから、
お金を出そうと財布を用意すると、
翔の手がすでにレジにお金を出していた。




「え、翔?」

「いーの!ここは男の俺に払わせろよ」






不覚にもまた、キュンときてしまった…

無駄に男前なんだから…こいつ…









カランコロン




店から出て空を見上げると、
空は夕日で真っ赤に染まっていた。





「今日はありがとう翔!久しぶりに楽しかった!」

「おう!俺もすっげー楽しかったぜ!」

「じゃあお互い仕事がんばろうね!じゃ、また…」



「あ…あのさ、愁!」

「へ?」




歩き出そうとしたら、
翔に腕をつかまれ、引きとめられた。




「また、…また今日みたいに、俺と会ってくれるか?」

「…翔」

「い…嫌ならいいんだ!!無理言って悪かったな!仕事頑張れよ!」



それだけ言うと、掴んでいた腕を話して、
真っ赤な顔をして翔は走り去ろうとした。



「翔!」

「…っ!!」




呼んだら振り向いた翔に一言、




「今度は海に連れて行ってよねーー!あと身長伸ばせーー!!」





そう叫ぶと、
真っ赤な夕日の下、
真っ赤な顔をした彼は
とびきりの笑顔で手を降り走り去って行った。





金銭的問題
いつのまにやら、
ずいぶん男らしくなったなぁ











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