「遅い」




雲雀さんが任務に出て
今日で半年となる


長期間の任務はざらにあって
今回なんて早い方だ。


でも、



「・・・遅い」



草壁さんからの連絡で、
今日の22時には帰ると教えてもらったのに、
もう23時を回っている。


疲れて帰ってくるだろうからと
夕飯を作って待っているのに、




「冷めちゃうよ・・・早く」






ガチャ




少し眠くなってきたとき、
部屋のドアが開くおとがした





「ワオ・・・豪華だね」



ただいまとか 待たせたねとか
気の利いたセリフは一言もないけど、
そんなことはどうでもよくて



「ひ・・・ひばりさああああん!!!」

「わ、」




半泣きで彼に抱き着いた


任務帰りだからか、いつもはビシッときめる
スーツも、少しいまは着崩れていた。

雲雀さんの、匂い



変態みたいだけれど、
半年ぶりの彼は少しまた大人に見えた





「さみじかったんですよ・・・!」

「ちょっと、鼻水出てるよ」

「それくらい・・・!会いたかったの・・!!」

「わかったから、ホラ鼻水かんで」





あれれおかしいな、
いつもより雲雀さんが優しいや・・・

それにいつもよりしゃべってる・・・



「雲雀さん、任務で何かいいことでもあったの?」




半泣きで聞くと、切れ長の目が少し驚いたように見開いた




「何故?」

「なんか、上機嫌だから・・・」




すると、雲雀さんはふうん・・・と少し考えるようなそぶりをした




まさか・・・まさか・・・





「ここここここここ恋人ができたとか言いませんよね?!?!」

「恋人はキミでしょ」





えへへとつい照れてしまう

改めて言われるとすごく恥ずかしい・・・





「じゃあなんで嬉しそうなんですか?」

「ん?・・・そうだね、きっと」




顎に当てていた手が私の背中に伸び
私は雲雀さんの胸に引き寄せられた



「ひ・・・雲雀さん?!」



いつもはこんなことしてくれないのに、本当にどうしてしまったんだろう








「君に会えたから」

「え?」


「君に会えたのが、嬉しいのかな、僕は」







少しだけ顔を赤くした雲雀さんはまた私をギュッと抱きしめた。





「私は、毎日会いたいです。一緒に、いたい・・・です」

「ワオ・・・・。そうだね、じゃあ・・・」





私から少しはなれると、今度は私の左手をとって、
薬指にキスをした。


「っ!!」


突然のことにびっくりして心臓がバクバクしている



「これからは、僕に一生ついてきてもらおうかな」




いい考えでしょう?

そういってまた私を抱きしめてキスを落とした。







――――――――そんなこと言われたら、イエスしか言えないじゃないですか!










END