「トキヤが好き」




そういってくるのが年上の、女の人、しかもそれが片思いしてる相手なら
なおさら嬉しくなってしまうのは、変ではないでしょう?





キミハトモダチ





事務所の先輩であり、寿さんの後輩である
この人はレンさん。

私が思いを寄せている人です。


でもきっと彼女は




「お?トッキ‐におとやんにレンちゃん!」

「あ!嶺ちゃんおはよう!」

「おはようございます」

「おはようおはよう!レンちゃんもおはよ!」

「お・・・おはようございますっ」




きっと彼女は、寿さんが好きだ




すぐにわかる、態度が明らかに違うから。
それに、私は彼女をよく見ているから。





だから、寿さんが彼女の頭を何気なくなでて
それに彼女が顔を赤くして微笑んだり、

テレビに出る寿さんを食い入るように
見つめるレンさんに心が締め付けられるように痛くなる


そう、嫉妬というやつです






だから、三か月前、寿さんに彼女ができた時は
不謹慎にも、少し嬉しかった

彼女があきらめると思っていたから。

しかしそれは一瞬のことで
彼女が裏で泣いているのを見て
私も少し、目が熱くなった。



それから私はなるべく彼女のそばにいるようにした。


休憩が重なれば、彼女の楽屋に顔を出すし、
休日が合えば一緒に出掛けた。





「ねえ、トキヤ」


仕事終わりに一緒に夜の冬の町を歩く
イルミネーションがキラキラ輝いて、綺麗だった


「なんですか?」

「あのね、私ね、少し前まで嶺ちゃんが好きだったんだよ」

「・・・、」

「だから、彼女ができましたって言われた時すっごく悲しかったんだけどね」

「・・・はい」

「気づいたんだよね、憧れだったんだって」

「え?」



私の二散歩前を歩いていた彼女は、
歩道橋の真ん中で立ち止まり振り返った


その顔は寒さのせいか、かすかに赤くなっていた





「ねえ、トキヤ」

「・・・なんですか?」





「トキヤが好き」

「え?」





「私、トキヤが好きだよ。・・・大好き」





気づけば彼女をきつく抱きしめていた。



「本当ですか?」

「ほんとだよ」

「今更嘘だと言っても、離せませんよ」

「離さなくていい」


背中に手を回して彼女は、鼻をすすりながら小さい声でいった




「離さないで、」









キミハコイビト







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(´・ω・`)

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