「君が、好きだよ」


桜が咲き始めた3月の終わりに、
私は告白された。


あの雲雀恭弥に、






Stella





そんなことがあったのは、去年のことで、
今では名前で呼び合うまでには
進んでいるけれど、


彼は風紀委員長で、先輩で、かっこよくて、強くて、


最初はそう、好奇心というか、
初めて告白されたから舞い上がって
そのままの勢いでOKしたけど
よく考えればあまり釣り合わないんじゃ
ないかな、とか、今更ながら思う






そのまま1年が経って、去年と同じ季節。



新入生が入ってきてから最近は忙しいみたいで、あまり恭弥先輩には会えていない…



「…差し入れでも持って行こうかな…」



ハンバーグ!はさすがに持って行けないから、
購買で買ったお茶を持って
応接室に向かった。


恭弥先輩に会える


そう思うと何故か、自然と速足になっていた。






少し息を整えてから、ドアをノックすると
返事をしたのは先輩ではなく、
草壁さんだった。



「あれ?草壁さん?恭弥先輩は?」

「委員長なら、先ほど生徒から呼び出しがあって出て行かれましたよ?」

「ふーん…そっか…」

「確か2階の教室だったと思います。」

「ありがとう!」





草壁さんに教えてもらい、
応接室を後にする。


放課後の階段は、夕陽が差し込んで
グランドからは運動部の声

でも校舎は静かで、
告白された時を思い出して、
ドキドキした。





2階に到着して、静かな長い廊下を歩く。


窓からは桜が見えて
また恭弥先輩を思い出す。






「好きだよ」






静かなはずの教室から聞こえた声に
ドキリとした。


まぎれもなく、恭弥先輩の声




好き?一体、なにを






罪悪感をかんじながら、
声がした教室を覗くと、
そこには恭弥先輩と知らない女の子




「ほんとに?」


女の子が、恭弥先輩に問うと
少し微笑んだ恭弥先輩が答える



「好きだよ、ずっと前からね」




女の子の顔が真っ赤に染まる
反射的に、私も少し熱くなった、

けれど





先輩が他の子に好きという場面を
みてしまっては、なにも考えられなくなった。


なにより、私は先輩のあんな表情は見たことがない





私はその場から逃げるように立ち去った





そしてなぜか応接室に来てしまった。
泣きながら帰ってきた私に
草壁さんは焦りながらお茶を出してくれた。

一連の流れを話すと、草壁さんはびっくりしていた




「委員長が本当に他の女性を…?」

「そうーーーー!もう私を嫌いになったんだよ…」

「そんなことはあり得ないと思ってたんですが…」




「なにをしてるんだい?」

「!!っ、委員長!」



タイミングよく、恭弥先輩が帰ってきて、
泣いている私をみて顔をしかめてから、
草壁さんに敵意を向けた




「どうしてレンが泣いてるの?」

「い…いや、委員長…これは…」




なんでもない顔して帰ってきた恭弥先輩に、苛立ちを覚える



「…らい」

「?…レン?」


「恭弥先輩なんか、大嫌い!!」

「!!」

「ひい!」




恭弥先輩からの敵意から解放された草壁さんは逃げ、
当の恭弥先輩は目を見開き固まっている


それでも私は涙が止まらず、泣き続けた




「…レン、理由を話して」

「そんなの、先輩が1番わかってるでしょ」

「…最近会えなかったから?」

「、違う」

「…わからない」



恭弥先輩は、椅子に座る私の前にしゃがみ、
私の目をまっすぐみた。



「レン、言ってくれなきゃわからないよ」

「…っ」



たまにみせるこの優しい顔と声が、
私は大好きでたまらないのだ


「さ…っき、」


「うん」


「先輩が告白、してたぁ…っ」



溜めてた気持ちがまた溢れて
涙が溢れる。

鼻水もでて、もうグチャグチャ…
そんなのもう関係ないけれど



「僕は告白なんかしてないよ」

「してたもん…!好きだよって」

「…馬鹿だなレンは」

「はっ?」



グチャグチャになった顔で、
恭弥先輩を見ると、クスクス笑っていた。

あ、この表情初めて見る。



それから恭弥先輩は隣に座り、
私にティッシュを渡しながら
さっきの話をしてくれた。



放課後、さっきの女子生徒に
教室に変な物があると言われ
ついていったらしい。

案の定そこには何もなくて…



「ねぇ、何もないじゃない」

「ごめんなさい、嘘なんです」

「嘘?」

「実は雲雀さんに伝えたいことがあって」





そして彼女に告白されたけれど、
自分には既に相手がいると伝えたらしい。

彼女はそれを承知で告白したらしい。




「雲雀さんは、その子が本当に好きなんですか?」

「好きだよ」

「本当に?」

「好きだよ、ずっと」




そこが私が聞いたところらしい



「それで、彼女は?」

「諦めてくれたよ、理由を話したらね」

「理由?」

「君を好きな理由」

「!きっ、聞きたい!」

「それより」



バサッ



気がつくと、目の前にはアップの恭弥先輩と
その後ろには天井が見えていて

押し倒されていることがはっきりした


「なななななっ…!」

「さっき僕のこと、大嫌いっていってたけど?」

「そっ、それはっ…ごめんなさい」

「嫉妬、してくれたのかな」

…」

「嫉妬してくれたなんて、嬉しいな。でも、」


すると恭弥先輩は嬉しそうに
私の頬を撫でておでこにキスをした



「泣いてる君は嫌いかな」

「え?」

「笑ってる君が大好きだよ、レン」




いつになく甘い恭弥先輩に、
いたたまれなくなって、
また私は真っ赤になる。


ズルい


そういうと、先輩はまた嬉しそうに
私にキスをして好きだと言った。







そういえば、私を好きな理由って
一体なんだったんだろう?



Stella


「彼女のどこが好きなんですか…?普通の子じゃないですか」

「そうだね、普通の子。だけど、」

「?」

「表情がコロコロ変わるんだよ。でもいつもキラキラしてる。」

僕の星なんだよ












リクエストありがとうございました!
無駄に長い上に臭くなってしまいましたが、
いかがだったでしょうか\(^o^)/

またぜひリクエストお願いします!

krsk