It's time to let go of the past.






血だらけの部屋と、死体の中、
もう動く気力も生きる気力もなくし、
ただ、ただ、涙を流した。



手に持ったピストルを手放し、
もらったリングを抱きしめ、
大きく、わめくように、泣いた。
















「・・・これは、いったい」







背後で声がして、そっと振り返る。





入口には7人のスーツの男性が立っていて、
私を驚くように見ていた。






「君が、やったのか?」





おそらく長であろう茶髪の日本人にそう問われ、
そっとうなづくと、彼は少し考えたあと
後ろにいる部下であろう人たちに死体を片付けろと命令した。





彼が私に近づく。





近づく理由なんてわかってる。





私の目の前にしゃがんだ彼に、私は言った。




「早く殺して」

「え?」

「殺すんでしょう?なら、早く」




すると彼は悲しい目をして抱きしめた。

抱きしめられたことに驚き、身をこわばらせる。





「殺すものか。君は悪くないんだから。」




まるで、私が言ってほしかった言葉を
そのまま言われたかのような感覚になる。

それに、この感じ、
ボスに似ている。暖かい。

そのまま、今までの緊張と、衝撃と、痛みが重なり、
私は彼の中で意識を手放した。











     【It's time to let go of the past.】
もう思い出さないように













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