世界一!

春歌→他校生が好きって設定



ある日の放課後。

「あのっ愁くんっ」

「春歌?」

「お願いがあるんです!」

「可愛い春歌のためなら!!」

「あっ、えっと、そのっ...」












翔とサッカーやる約束だったのに、
教室にサッカーボールを忘れて
俺は少し小走りで、教室に向かっていた



やっと教室についたーと思ったら、
教室には七海と、
そして俺が密かに思いをよせている
愁がいた。

二人で話しているようだったから、
俺は教室の死角から、
隠れるように二人の会話を聞いた。


って、これじゃ俺変な人じゃん!


とか思いながらもやめられない俺は
ゆっくりと耳を傾けた。





「あの、私、...っ///」

「何?...落ち着いて話してみてよ」

「ぅ...私、...貴方が好きです。」

「...実は俺も、ずっと好きだった。」




え?



今、なんて。



信じられずにいると、
こんどは二人で抱き合った。

強く、強く、恋人みたいに。





「なん...で」


「ん、誰かいんのか?」



やばい、


そう思った時にはもう遅くて、
バッチリ俺の姿は二人に見えてしまった




「音也?」

「ふ、二人で、付き合ってたんだねっ!!お似合いだよ!」

「は?」

「いやー、こっちも安心したよ、愁が好きな人出来てたなんて!」

「おい、待てお前勘違」

「おしあわせに!!」

「あ、音也!!」




サッカーボールを掴んで、
俺は早く早く、走った。

大好きだったんだ。
愁が、ほんとに大好きだった。


やっぱ、七海は女だもんな。
可愛いしな。


ああ、泣けてきた。

サッカーやって忘れよう。
無理だけど。忘れよう。



「翔!ごめん遅れて!サッカーや...」

「よう、音也くーん?」



そこには翔はいなくて
青筋を立てた愁が
立っていた。



なんだか、急にさっきのを思い出して
泣きそうになって、逃げようとした



「逃がさねぇよ」


あっさり捕まってしまった





「勘違いしてるようだから、言うけど、俺と春歌は付き合ってねぇからな」

「え、じゃあもう...夫婦」

「夫婦でもないからな」


「じ、じゃあなんでさっきっ!!教室...」




そう言うと愁は
大きなため息をはいた。



「あれは、春歌の告白の練習、付き合ってたんだよ。他校にいるっつーからさ」

「だって抱き合ってた!!」

「ばーか、男女交際禁止なんだから、俺が春歌まで、巻き込むようなことするわけねーだろ?練習だっての」


「じゃあ、、、付き合ってないんだ...」

「ん?ああ、」




よかった、



なんて思うと、
やっぱり目頭が熱くなって、
泣きそうになってしまう。




しばらくうつむいていると
愁からため息が聞こえた刹那、
おれは抱きしめられた



「ちょ...!?!?」

「好きだよ音也。大好き。」

「えっ、えっ!?!?」

「はは、驚きすぎだろっ」



だって、愁が俺を?


嬉しい、
嬉しい、

それしかでてこないんだ


「で?音也は?」


ニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んでくる愁に、
満遍の笑みで言ってやった



大好きだよ、世界一!






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