工くんの相談



「わかった?」

「…すげーわかった」

「なにそれ」

「お前が宮元亮と付き合ってるとか耳もげるかと思った。」



「ばーか」

 宮元亮って誰でも知ってるモデルだもんな。俺なんか…

 あ、だめだ、だめだ。ポジティブになるんだ。



「ふうー。なんか元気でたかも。俺昨日すげー悩んでて、何より友達の明に何て言おうかって考えだしたら止まらなくてさ。あんがと、明」

「俺もありがとう」


 佐々木は良い奴だ。とても。とても。だから幸せになって欲しいと思う。好きな人だとは言え男を恋人にすることが100%幸せだとは思わないけど、それがお前らしく生きられるなら協力するよ。



「で どーするの?」

「なにが?」

「チカ先輩。告んの?」

「ブッ!!は、早すぎだろ!」

 落ち着いたのか飲みかけた紅茶を、一瞬で吐いた。
 汚い。テーブルの上だからまだいいけど。カーペットに吐かれたら殴ってたかも。


「汚いなー」

「だって明が!」

「俺のせいじゃないよ。そもそも、向こうは佐々木のこと知らないんだろ?」

「……うん」

「なら、早すぎるとかないでしょ。それに、早くしないとチカ先輩はすぐ彼女出来るよ」

「まじで?!」

「あの人優しいから、すぐ付き合っちゃうんだって。生徒会の先輩が言ってた」

「俺、明日言うわ」

「(…早すぎるだろ、決断。)うん、報告待ってる」





 こうして、佐々木青年が愛しの近沢先輩に体当たりな告白を行い、付き合い始めるのである。


 二人が付き合ったのは、また違うお話。



END


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