お姉様と私
「あけましておめでとうございます、お姉様」
「その言い方ヤメロよ真椰」
私の目の前でニコニコ笑う真椰。私が大学生になって真椰を見るのは本当に久しぶりだ。
中等部のころからヒナの様に私の後ろを歩いてうざ可愛かったな。でも、正月だからってわざわざ家にまで来るか?しかも着物姿で。
「でも…お姉様はお姉様ですから。」
「あらー、真椰ちゃん来てたんだ。あけましておめでとう」
「おめでとうございます、みさ先輩」
「こらチビ。なんでみさは名前なんだよ」
玄関に現れたのは私の姉のみさ。えへへと幼く笑う真椰の頭を撫でるみさ。私とは正反対の姉。人に好かれるのは彼女の役目なのに、なぜか私を慕う真椰。
「ちょっと見ない間に真椰ちゃん可愛くなったね、恋でもしてるの?」
「なっ!なっ、何をおっしゃるかと思えば…わっ私はお姉様だけをお慕い申し上げて…」
その一言で全身を茹だらせた真椰。怪しい。
「真椰に好きな野郎ね」
「お、お姉様?ですから私は」
「みさ、今度学校行って見に行こうぜ」
「もちろん」
「お姉ーさまあー」
「バーカ」
「意地悪さんなお姉様も素敵ですうう…ぐす」
私はこんな可愛い後輩を持って幸せだ。
ちゃんちゃん
(09.1/8〜09.2/6)