正直な感想を言おう。

誠凛の練習、めっちゃキツいわ。

宇宙科で水泳部に入っていたのに加えて幼いころからトラブルメーカーに振り回されていたおかげか息切れするほどではないがキツいといえばキツい。黒子など先程からへばって動かない。生きているのか?

「朝野ぜんっぜん疲れてないねー」

「え?」

小金井に言われて首を傾げた。いやいや疲れてますって。ただ少し汗かきにくい体質なだけなんです。
ただ周りが汗だくなためか俺はちっとも疲れていないようにうつるらしい。いやいや疲れてますよ?あー疲れたってさっきも思いましたよ?しかし俺の思いは届かず。
近付いてきた日向が「うわ、マジだ」と少し引いた。何故引く。

「伊月とそんな変わらない体格してるのに…どうなってんだよ…」

「いやー、ははは…」

「朝野先輩」

「へ?」

背後から話しかけてきた黒子におお、どうした黒子、と応じる。周りの皆は一斉に「うわあ!?」と驚いたが一体どうしたんだろう。

「どうした皆?」

「どうしたって…お前普通突然話しかけられたら驚くだろ…」

「なんかさー朝野ってどっかおかしいよなー」

「ちょっとやそっとのことじゃ焦らなそうだな」

「いやいや」

俺だって焦りますって。こっちの世界に来たときなんか冷や汗半端なかったですからね。言わないけど。まあ小さい頃からより死に近い体験を幾度もしてくればちょっとのことぐらいで驚いたりなどしない。ましてや影の薄い人間が突然話しかけてきたって別にそれがどうしたくらいの反応にもなりますわ。で、黒子は俺に何の用なのか。

「先程の試合で聞きたいことがあるんですが…」

「おー、なんだ?」

「火神君に実践してもらうのでちょっと見てもらってもいいですか」

「はいはい」

黒子に連れられて、ゴール下で待機している火神のもとへと向かった。







「…………なあ、俺さ」

「どうした日向」

「その内朝野にキャプテンの座を奪われそうな気がするんだけど」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………ソンナコトナイヨ」

「なぜカタコトなんだ」

「みっとべー!練習しようぜー!」

「俺も」

「おい!待てよお前ら!なんか言えよ!」




空気清浄機朝野美月


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