「冗談だろ、…Lesath」

「…Phekda、油断するなよ」

困惑したように俺を見る美月と、気怠そうに美月に注意をする柚月。まさかまさかの連絡が行ってないとかそんなパターン?CanopusかAntares辺りが言ってると思ったんやけどな…なんて思いながら隣で二人を見据えるSagittariusの様子を窺った。

「…Lesath知り合い?」

「あー、んー…元同僚?」

「ふーん」

興味無いんやったら聞くなアホ!と、はとこでもあり敵でもあり、現同僚の頭を軽く叩く。痛い。なんて言いながら俺の手を掴んだSagittariusは、ゆっくりと俺を見上げながら笑った。

それはまるで、元仲間(ほんまはちゃんと仲間やけど)を殺せるかどうかと真意を探るような、そんな目で、酷く不愉快な気分に陥る。

望んでた筈の対峙を隣のはとこが全て台無しにしよったって訳や。

「……いやあ、PhekdaもSheratanも久しいんちゃう?」

「長い間見ないと思ったら…」

「しゃーないやん?勧誘された身やからな」

笑って言えば、それに比例するように美月の眉間の皺がグッと寄る。隣で俺と似たように笑みを浮かべていたであろうSagittariusの頭を撫でて、相棒の仕込み番傘の柄を抜いた。刀のようになってるそれには俺特製の毒薬が塗り込んであったりする。

柚月辺りはこの正体を知っとるやろな、なんて内心ほくそ笑んだ。

銃を、火器を、刀を、それぞれが構え地を蹴る瞬間、目の前にいる人物を挑発するように更に俺は声を大にした。

「確か、SpicaはRigel達と任務やろ?そこな、さっき行ってきたん、や!」

右手を振りかざし、フェイントをかけながら張り詰めた空気を裂く。

「通信機、Spicaと繋がらんのちゃう?」

ぶっ殺す、なんて縁起でも無いで。なあ、柚月?



Zodiac潜入中凌とそれを報告されていない美月さん達。
続かない。





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