美月も柚月も、この場にいない白夜も、いったい何の為に人を殺すんやろうか。





きっと聞いても、答えてくれないだろうから俺は聞かない。反対に凌は?なんて聞かれても答えられないからそれでええんやと思う。

この道から抜け出す隙は、いつも俺の傍にあった。それを壊したのは俺やし、求めたのも俺自身やった。感情が欠落したんか何なのか、戦ってる嘗ての友人(この場合は戦友とも言えるかもしれない)同士が戦う事に気分が酷く高揚してしまう。

背筋を不気味に這うゾクゾクとした感覚は、いつも俺が求める物。自身の快楽の為に人を殺してるなんて美月辺りが聞いたら何て思うんやろ、とか、気付いたらどう行動を起こすやろかって毎日毎日考える。

柚月も白夜も美月も、みんな、俺の手で消したい。けどきっと、一筋縄ではいかんやろうから、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして、傍観して、殺す。FMSの奴らの前で人はあまり殺さない。何せ女が多いし(と言うのは建前で)、血に濡れた俺を見られるのがあまり好きやないから。

「(あー……殺したい)」

この殺人的欲求を抑える術は、いつか見つかればええと思う。珍しく浮かべた笑みは、気持ち悪いぐらい狂気を纏わせてるのだろう。



……凌独自、だと…!?





「#寸止め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -