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「 え、ほんま...に? 」
「 ......ち、違うよ!違う!止めてよ、白石ってば 」
否定はしているが明らかに不二は動揺している
「 へぇ....そうなん 」
なんや、気分悪いわ....
「 ..........
そ、そうゆう白石こそさっきからなに?僕のこと好きだったりしてね 」
実は図星の不二は話の矛先を自分から他人に向ける為に適当に話を反らしただけだったのだが......
白石は何故か黙ってしまった
「 .....?しら.. 」
「 好きなんかもしれんわ 」
「 ?! 」
まさかの白石の返答に不二は言葉を失ったまま固まる
「 ...まぁなんとなく予想は付いてたけど 」
幸村はいつもと変わらぬ笑みで口を開く。
「 分かっとったん?...俺でも今気付いたんに。流石は幸村くんや 」
「 ...... 」
幸村への気持ちもバレた上に、白石の気持ちも聞いてしまい居た堪れなくなった不二は白石と幸村が話してる間にこっそり二人の間から抜け出そうとしたが、それに気付いた白石に捕まってしまった
「 どこ行くん?不二 」
「 ?!ちょちょちょっ、ちょっと何するんだよ! 」
白石が捕まえた不二を背後からそのまま自分の胸の中に引き込んだ。小柄な不二の身体は白石の胸にすっぽりと収まってしまった
不二はびっくりして白石の腕の中でもがくが白石の腕はびくともしなかった
「 好きって認めたらなんやスッキリしたわ。不二くん良い匂いや!エクスタシーや 」
「 バカバカ!放してよ!ゆ、幸村もいるのに!! 」
白石は不二の首筋に顔を埋める。不二は恥ずかしくて耳まで真っ赤になっていた
「 白石、俺もいること忘れてへんか? 」
「 幸村くん、関西弁似合わへんなぁ。 」
幸村も二人の隣に腰を下ろした
「 幸村くんは不二くんのこと好きなん? 」
「 何聞いてんだよ、白石! 」
不二が慌てるのも無理もない
ここで幸村が"好き"と答えれば二人は晴れて両思いになれる...可能性も秘めているのだから
白石にとってもハラハラドキドキだ
「 うーん.... 」
まるで楽しんでいるかのように溜める幸村
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