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「 理由なんてあらへんけど、ただ不二くん見とったら聞きたなったん。 」


「 なんで僕を見たら聞きたくなるんだよ 」

不二は白石の回答にますます怪訝な顔をする




「 いや、不二くんが可愛いから... 」

「 可愛い?へぇ.... 」



「 フフ。俺も不二が可愛いって言うのは同感だな 」


「 .....え?..そ、そうかな 」





「 .....ちょ、不二くん 」

白石が可愛いと言った時はあからさまに不機嫌な顔をしたのに、幸村に可愛いと言われたら不二ははにかみ照れた反応をしている


「 そのあからさまな違いは何やの?! 俺かて傷付くんやで 」


「 あ...ごめん、白石 」


「 え? 」



てっきり反論して来るだろうと身構えていたが意外にもすんなり折れた不二に白石は少し拍子抜けする



「 白石にそんな感情があること忘れていたよ 」



「 ...... 」

なんや遠回しにバカにされとる気がするけど....





白石は言い返す言葉を飲み込んで再び不二に質問をする



「 なんで幸村くんなん? 」



やはりそこが一番気になっていた。不二のことだから性格が云々等細かく言ってくるだろう..と白石は考えていた。が、



「 え?!.....えと、か、顔だよ 」


不二は俯き加減に小声で呟いた




........


「 って、顔かい! 」



意外とあっさりとした返答だった。



「 ..なにか問題でも? 」


「 いや、あらへんけど...そうか幸村くんの顔が好きなんか 」


なんやちょっと失恋した気分や


いや、好きとかとちゃうけど!....多分..




白石が脳内で一人突っ込みを入れていると、不二がすぐ隣でベッドに腰掛けている幸村の足に頭を寄り掛からせた



「 な、何しとん?! 」


真向いに座っていた白石が思わず立ち上がる




「 .....不二、あまり白石を虐めちゃダメだよ 」






「 幸村はさ、僕のこと...... 」


不二が上目遣いに幸村を見る



「 ん?何? 」


「 ......えと、」


幸村は言い淀む不二の後頭部に手を伸ばして蜂蜜色の髪の毛を優しく撫でてあげた






「 俺もいること忘れてへんかー? 」


白石は床に座り幸村の足に寄りかかる不二の隣に腰をかけた


「 うーん、こんな固まって座らなくても.. 」


幸村はそう言うと不二の後頭部に回した手を離す。幸村の温もりを失った不二は顔を上げて幸村の方を見上げた


「 フフ。そんな寂しそうな顔しないでよ 」

「 そ、そんな顔してない! 」



「 不二くん、幸村くんのことマジで好きやったりして.. 」



「 !......... 」



白石の何気ない一言で室内にはなぜか気まずい沈黙が流れる...




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