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「 観月さん! 」
「 ?..なんです?裕太くん 」
聖ルドルフ学院は只今練習真っ只中。関東大会進出を果たせなかったこともありみんな今まで以上に必死に練習していた。
...そんな中、不二裕太が少し慌てた様子でコート脇でノートとにらめっこしていた観月に話し掛けて来た。
「 あ、兄貴!兄貴が来て..青学が来てるんスけど! 」
「 んふっ..おやおやもう着いたのですね 」
「 ...え? 観月さ」
「 裕太! 」
裕太が喋りかけた時、裕太を呼び声がそれを遮った
「 あ..兄貴... 」
裕太は少し呆然とした感じに今呼んだ声の主の方を振り返る。
その視線の先にはフェンス越しでニコニコと微笑みながら小さく手を振る兄・周助の姿があった
「 ...不二、あくまで偵察だぞ。あまり目立つようなことは戴けないな 」
乾は着いてそうそうマル秘乾ノートを開きながら不二にやんわり注意を促す
「 はは、ごめん。顔が見れたらつい嬉しくなっちゃって 」
「 目立つなたって、観月は偵察来るの知ってんだし、いーじゃん。別に 」
菊丸が軽く不二にフォローを入れる。
3人がそうこう話しているうちにいつのまにか裕太が不二達のいるフェンス前まで歩いて来ていた。
「 なんで兄貴がここにいんだよ 」
「 裕太!久しぶりだね。
今日は単に偵察に来ただけだよ 」
怪訝そうな表情の裕太とは対照的に不二はニコニコと笑顔を浮かべている
「 はぁ?そんなの聞いて..」
「 やぁ、ようこそお越しくださいました。不二くんに乾くん.....に、おや?菊丸くん? 」
裕太が反論しようとしたとこで観月が割って入って来た。裕太も観月には何も言うことが出来ずただ黙って観月の話す姿を見つめる。やはり怪訝な表情のままで..
「 なんだよぉ!俺が来ちゃいけないのかよ 」
自分の名前だけクエッションマークが付いたことに菊丸がブーブーといじけるような口調で言うと観月がクスリと笑い弁解した。
「 いえ、ただ乾くんとお話になった時は不二くんと乾くんのお2人でお越しになるとゆう話だったので、」
「 ああ、菊丸が着いて来るってうるさいからな。仕方なく同行させたんだ 」
表情一つ変えない乾が眼鏡をクイッと押し上げながら観月に淡々と訳を話す
「 なんだよ、その言い方ぁ!
俺は不二を守る為に着いて来たのに!用心棒、菊丸英二様なのにゃ 」
「 ....何から僕を守るの? 」
不二がきょとんとした様子でカッカッしている菊丸に問う
「 魔の手! 」
「 魔の手って。漫画じゃないんだから 」
「 と、とにかく!俺が不二を守るの! つべこべ言わずに不二は守られてればいいの!わかった? 」
「 .....わかったよ 」
菊丸の気迫に負けて訳がわからぬまま頷く不二だった。
「 不二くんを守るですか..面白いことを言いますね、菊丸くんは。んふっ 」
菊丸と不二の言い合い(?)の為、蚊帳の外状態の観月がボソっと呟く
「 あの観月さん、偵察のこと知ってたんスか? 」
観月以上に蚊帳の外状態だった裕太が観月に話し掛ける
「 えぇ、勿論。マネージャーたるもの全てに置いて抜かりはありません 」
観月が得意気な顔で髪を弄りながら返す
「 .....観月、俺も知らなかったんだが... 」
「 赤澤!....赤澤は知らなくていいと思いまして 」
背後からの突然の赤澤の登場に一瞬驚く観月だがすぐ立て直して素っ気ない素振りでそれを交わした
「 いや、俺部長なんだけど! 」
「 はいはい、分かりました。
ほら早く練習に戻ってください 」
部長を軽々しくいなして練習に戻らせた(赤澤はブツブツと何か文句を言っていたようだが)
「 さ、裕太くんも練習に戻ってください 」
「 あ、はい! 」
観月の隣で突っ立っていた裕太にも練習に戻るように促す。裕太はまだ不審そうな顔をしていたが特に反論するでもなくすんなりと練習に戻って行った。
「 裕太、頑張って! 」
不二が練習に戻って行く弟の背中にエールを送った。裕太は「言われなくても頑張るよ!バカ兄貴」と返した後練習に戻って行った
「 照れ隠しだな 」
乾が裕太の後ろ姿を見ながら呟いた。
「 ところで観月は練習に戻んないのかよ 」
菊丸が観月に向かって喋りかける。赤澤と裕太をさっさと練習に戻しておいて当の観月は未だ菊丸達の側を離れようとしないからだ。
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