Heart rate rise!
「 ねぇ英二、僕のこと..まだ好き? 」
ブッ..
「 うわっ英二汚い! 」
「 だって不二が急に変なこと言うから!つかまだって何だよぉ 」
いつもの昼休み。いつものようにクラスメイトの二人は一緒にお昼を食べる。いつもと違うのはここは教室ではなく屋上だと言うことだけ。
菊丸が早々にお弁当を食べ終えてパックの牛乳を飲んでいると、不意に不二が冒頭の言葉を投げ掛けた―――
そして菊丸は牛乳を綺麗に吹き出す...
この二人が恋人同士なのはクラスメイトには内緒のこと。(でもチームメイトにはバレバレです)
「 変なこと? 英二は僕のこと好きじゃないんだぁ 」
「 にゃ?好きだよ!めっちゃ好き! 」
菊丸は濡れたシャツの胸元をパタパタさせながら弁解する
「 .....はい、ハンカチ 」
「 おっサンキュー不二! 」
見兼ねた不二が菊丸にハンカチを差し出す
「 ねぇ、僕に飽きた? 」
「 ....えっ?!
っぅ゛げ、げほっごほっ 」
菊丸は今度は驚きのあまり咳き込んでしまった
「 英二...さっきからなに?ふざけてんの? 」
不二が冷たい視線を菊丸に向ける
「 ご...ごご、ごめん!不二!
だって不二が変なことばっか言うから 」
菊丸は咳のせいで涙目になっている
「 だって....... 」
「 飽きたとか言うなよなぁ..
俺そんな軽く見えんのかよ 」
「 うん、まぁ 」
「 うわっひっどい!不二 」
「 じゃあ好きなの? 」
「 なにどうしたんだよ、不二ぃ〜 」
「 うん、実はさ―― 」
「 こーんなとこにいたんスか 」
突然誰かが二人の会話に割り込んで来た
「 .....ん?にゃーんだ、オチビちゃんじゃん 」
生意気ルーキー越前リョーマだ。気配を微塵も感じさせず屋上に入り、いつのまにか二人の目の前で二人を見下ろしていた
「 ちッス。」
そう言うと越前は自分が小さいのを利用してあろう事か不二と菊丸の間に座り込んだ
「 .....オチビ?にゃんでわざわざ、そこ? 」
当然、その事に引っ掛かった菊丸が顔を引きつられせながら突っ込む
「 なんでって、二人の邪魔してるんス 」
「 は?邪魔ぁ? 」
少し困惑する菊丸とは逆に不二は冷静に越前を見つめる
「 ....越前、君.. 」
「 不二先輩、俺..好きなんスよ 」
越前もそう言うと不二を見つめる
「 ええええっ?!好きって、好きって、オチビ?! 」
ますます困惑する菊丸
「 ....うん、分かってる 」
「 ...?!!
分かってんの?! 」
ただ真剣に見つめ合う不二と越前のただならぬ雰囲気に菊丸はただ戸惑うばかり.....
「 俺....諦めないっスよ 」
「 あのさ、オ...オチビ、俺がいるんだけど....不二の恋人は俺なんだけど 」
菊丸は二人の会話から何となく状況を把握してとりあえず越前に不二の恋人は自分であることを釘さしておくことにした
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