in around

「 不二、いいの? 」



「 ..... 」





無事、卒業式を終えた俺と不二は二人で屋上に来ていた

よく訪れたこの場所とも今日でお別れか...なんて思うとちょっとしんみりしてみたり...


でも今はそんなことよりも...




「 なぁ、不二 」


「 .....なに? 」



「 なに?..じゃねぇよ、不二 」


「 ...... 」



不二はさっきからずっと柵に寄りかかり校庭を見つめている

不二の視線の先には、下級生に囲まれているあいつの姿...



「 春からは別々の高校になるんだぞ」



「 ....だから、なんなの? 」



「 あいつ..高校からは親の都合で遠いとこ行っちゃうんだよ?


今日しかチャンスないじゃん!..いいのかよ 」



不二... あいつのことずっと好きだったじゃん...




「 うん....いいんだ。僕は何も言う気はない。このまま.. 」



不二はそう言いながら微笑んだ


それはもう、悲しいくらい綺麗な笑みで




「 .....不二..でも 」



「 いいんだよ、これで。



このまま忘れていくんだ。僕はそれでいいと思ってる 」




「 不二... 」



不二が余りに綺麗に微笑むから、俺の胸は余計に苦しくなる





好きな気持ち...そんな簡単に忘れてしまえるの?




俺はこれ以上背中を押せないよ?





だって...



「 なぁ、不二 」



俺は自分より少し小さい背丈の彼の身体をギュッと抱き締めた



「 .....英二? 」





少し驚いた様子の不二に構わず俺はますます抱き締める腕に力を込める



「 .....英
「 不二、


俺は..不二のこと忘れるなんてできないよ.. 」



「 え?...英二? 」



不二の顔は俺の肩の辺りに埋まっている為に表情は分からなかったけど、声色から困惑しているのが伺えた



「 忘れる...って、...僕ら同じ高校に行くんだよ?


英二ってば変なの... 」



肩に伝わる微かな振動で今度は不二がクスクスと笑ってることが伺えた






そうゆう意味じゃないよ?..不二


....伝わるわけないけど




「 ...いいの! とにかく俺は忘れない 」




忘れるなんてできないよ





俺が不二を好きだとゆうこの気持ちは..







もし不二が今のあいつへの気持ちを少しずつ忘れることが出来たなら...




俺はずっと胸の内にしまい込んでいたこの気持ちを君に精一杯伝えたい



だから俺はこれ以上背中を押したりしないよ





「 不二も俺のこと..ずっと忘れないで 」





不二は「ハイハイ、分かったよ」なんて言いながら微笑んだ
痛々しい笑みからいつもの笑顔に少し戻った様子の君に、俺の胸の苦しみは少し和らぐ



俺は自分の気持ちが少しでも君に届くように祈りながら肩ごしの小さな温もりを強く強く抱き締めた



end
――――――――
1時間クオ。前から書きたかった不二が誰かに片想いしてて英二が応援するとゆうなんかありがちネタ。不二の好きな人は手塚でしょうかね? 英二は不二のことがずっと好きだったけど、身を退いて不二と手塚を応援していた....とゆう設定だったんですがイマイチ伝わりにくい感じに。

卒業シーズンなので卒業ものに。余り季節とかイベント関係なく描いてるのでたまには;

それでは駄文にお付き合いくださってありがとうございました




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