Enemy?
部活も終わって、みんなが部室に戻って行く
コートには僕しかいない
....僕はもう少し残って自主練でもしようかな..
なんて思ってたら、
「 不二、帰んないの? 」
背後から声を掛けられた
「 ...英二。まだ残ってたんだ 」
コートにいるのは僕だけだと思ってたよ
「 うん、不二が残ってたから 」
「 ...僕に何か用なの? 」
途端、君の顔から笑顔が消えた 。なに?僕何かした?
「 不二、俺と勝負しない? 」
「 ....え? 」
....勝負?
「 勝負しようって言ったの。」
「 ...どうしたの?急に 」
何の為に? ただの練習?
いや...君の表情からは"ただの"練習....とは、考えにくい
「 急じゃいけない?
....俺じゃあ、不二には勝てないて思ってる? 」
「 そんなこと思ってないよ、」
こんな英二、僕は知らない..
「 まぁ、普通に試合したら不二に勝てないのは俺だって分かってる。だから、 」
「 ...? 」
「 賭けをしない? 」
賭け?
「 賭けって、何を? 」
そう僕が聞き返したら、英二の顔が一瞬悲しみに歪んだ....気がした。僕の気のせい?
「 .......俺が勝ったら、」
......
君の表情で分かった、君は顔にすぐ出るから
....君の次に言う台詞、僕には予想は付いてるよ
...でも、聞きたくない
聞きたく...
「 大石と別れて欲しい 」
....やっぱり、か
君が大石のことを密かに好きなのは知ってたよ。 君は必死にそれを隠していたみたいだけど、
僕には分かる。
親友だから...とか、そんなんじゃなくて
僕は君のことずっと、ずっと見ていたから....
だから大石に告白された時、僕は凄くびっくりしたよ。大石も英二のことを好きだと思っていたし
ちゃんと断る....つもりだったんだ。
でも、君がこれをきっかけに大石を諦めてくれるなら....そう思った。だから僕は大石と付き合った
大石と付き合ったって話した時の君の悲しそうな顔....
ごめんね。でも、好きなんだ
―――好き...
君に伝えたい。でも伝えてしまったら君が僕から遠ざかっていってしまう気がして....
......
「 ねぇ、じゃあ....僕が勝ったら? 」
「 ......不二の言うことを何でも聞く。....どう? 」
「 ....僕の言うこと何でも? 」
「 そう、何でも 」
...なら、僕が勝ったら
僕のことを好きになってくれる?
僕だけを見てくれるの?
........。
「 ....いいよ。やろう 」
「 ....絶対、負けないよ 」
「 僕も負けないよ 」
「 ....大石が好きだから? 」
「 ...気になる? 」
「 ...... 」
「 ....雨、が降りそうだね。早く始めよう 」
雨はポツリポツリと降り始める
天気予報では晴れだったのに..
でも、止めるなんて言わないよね?英二....
「 不二、俺は絶対に負けないから 」
...不二は知らないでしょ
俺がずっと、ずっと不二ばかり見ていたこと、
知るわけないよね、必死に隠してたから。もし俺の気持ちが君にバレて、俺の側から君が離れていったら.....そう思ったら怖かった。
だから君に気付かれないように、なるべく大石と過ごして誤魔化した
そうしたらいつのまにか大石と君が付き合っていて......
大石には悪いけど不二は渡したくない....
いくら....不二が大石を好きだとしても、渡したくない
...勝手だって言われようと。
この勝負、負けるわけにはいかない
雨は弱くなるどころか段々と強くなってきた
不二、止めるなんて言うなよ?
end
――――――――――
菊不二、珍しくシリアス。
お互い両想いなのにすれ違い
なんか大石がかわいそうな役に;
これ、不二が勝っても菊丸が勝ってもどっちにしろ大石と別れる結果になってます。二人は気付いていませんが...。
文章力がないため伝わらないヶ所もあると思います..どうしよう
何はともあれ菊不二大好き!
それでは最後までご覧くださりありがとうございました。