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「 知ってますよ、そんなこと


でも、面と向かって言われるとやっぱ悔しい 」


「 知ってるならオチビは諦めろよな! 」



まだ何か言いたそうな越前を無視して菊丸は立ち上がると不二の正面まで来て再びしゃがみこむ



「 それに不二、なに?さっき飽きたってお前が俺に飽きたってこと? 」




「 ....え?英二... 」


菊丸は不二の両肩を掴み真剣な瞳で見つめる



「 何言って.. 」
「 オチビに乗り換えたりしたら俺ぜーったい許さないかんな! 」



「 .....英二 」


「 ん?ダメだよ、絶対ダメ..」
「 英二ぃ!嬉しい!」


菊丸が最後まで言い終わる前に不二が突然おもいっきり抱き付いて来た。その反動で菊丸は後ろに尻餅を付く


「 いてて....


て、え?不二? 」


訳が分からない菊丸は抱き付いて来た不二にとりあえず宥めるように頭を撫でる



「 ちょっちょっと、何いちゃついてんスか! 」


それを見ていた越前が不二の肩を掴み二人をはがしにかかる



「 越前....聞いただろ?


もう邪魔しないでくれるかな 」



「 ふ、不二? 」


不二はさっきまでの嬉しそうな表情から一変して鋭い眼差しで越前を睨む。それに菊丸はたじろぐが、越前の方はそれをもろともせず不適に笑う



「 俺は諦めないっスよ 」


「 ...君、今の英二の言葉聞いてなかったの? 」


「 でも諦めないっス



菊丸先輩は不二先輩には渡さないっス



.......?!


「 え?ええええっ?!オチビ、今なんて?! 」




「 諦めないっス 」


「 その後、その後! 」




「 菊丸先輩は渡さないって言ったんです 」



「 はぁ?何だよそれ、不二が好きなんじゃないの?! 」



「 ダレが不二先輩て言いました?


じゃあ俺のものになってくれます?菊丸先輩 」



「 じゃあの意味わかんないし! オチビのくせに生意気!俺は不二が好きなんだから!ほら、もう行った行った! 」


「 ちぇ...酷いなぁ、先輩。でも諦めないし。今回は引き下がるけど、今に見ててくださいよ。菊丸先輩 」



越前は少し拗ねたような表情になりながらも意外とすんなりと屋上を後にした。





「 ...... 」


「 英二? 」


「 不二は知ってたんだ、オチビのこと 」



「 え?うん、なんかこの前宣戦布告されちゃってさ 」




" 俺、菊丸先輩のこと好きっス。



菊丸先輩があんたに飽きた時は俺が譲り受けますよ "



" .....なんなら今すぐでもいいっスけど "







「 へぇ....それで不二は俺に好きだの飽きただの聞いてきたの? 」



「 ....一応確認しておこうと思って、 」



菊丸はその言葉に大きくため息を吐いて不二の隣でごろんと腕を枕に仰向けに横になる



「 あーあ、もう不二ー。俺をもっと信じてくれよなー 」


「 ....... 」



「 俺は飽きたりしないよ 」




「 そんなの分かんないよ。英二、押しに弱そうだし。越前が言い寄って来たら.. 」



珍しく弱気な不二に菊丸は少々驚きはしたが、そんないつもとは違う不二も菊丸には愛おしく思え不二の細い手首を掴み自分の方に引き寄せる


「 え...英二? 」


腕を引っ張られた不二の上半身は菊丸の胸に倒れこむ形になった




「 俺の心臓の音聞こえる? 」


「 え?.... うん、 」

「 今俺すっげードキドキしてるでしょ。心拍数ヤバいくらい 」


「 ....うん、早い 」




「 不二にメロメロ過ぎて、俺の心臓はいつも緊張のしっ放しなんだぞ


そんな俺が不二に飽きたりするわけないし!たしかに押しに弱い...けど、俺は浮気はしない主義だにゃ 」


「 うん、、ごめん....ごめんね。



...僕は英二を信じてるよ 」



不二は菊丸の胸に顔を付けたまま、瞳を閉じて菊丸の少し早い心臓の音を聞いていた







「 ...なあ、不二..... 」



暫く不二がそうしていると菊丸が口を開いた



「 にゃんか、俺。」


「 なに? 」


不二が顔だけを起こしてすぐ真上の菊丸の顔を見る
菊丸は子供みたいにニコニコしている


――――が、


「 不二とこうしてたら、ムラムラしてきちゃったにゃ 」

「 ....え? 」



不二は嫌な予感がして、急いで上体を起こして菊丸の上から退いた

菊丸は不二を抱き締めようと腕を伸ばすが間一髪で不二に逃げられてしまった


「 不二ぃー!誘っておいてそれはないじゃんかぁ!」


菊丸は起き上がり頬を膨らます

「 誘ってないし!ほら、昼休み終わっちゃうよ 」


「 ....... 」


未だ頬を膨らます菊丸に不二は耳元に顔を近付けて一言...


「 ....帰ってから..ね? 」





その言葉に菊丸は不二に飛び付こうとしたがまた交わされてしまった



「 にゃあ不二ぃー!! 」












明日もいつもの昼休みに、いつものようにクラスメイトの二人は一緒にお昼を食べるだろう。



いつもと違うのは.....





#end


「にゃろう...」

越前は屋上から去った後もずっと二人の様子を見て悔しがっていたのでした

――――――――――――
ちょっと菊不二が書きたくなり書いてみました。
なんか在り来たりでしょうか;

越前は二人の邪魔は出来ないのは頭ではちゃんと理解してるんです。

アンケでリョ不二の名前を書いてくださる方もいましたので今度はリョ不二も...青学ちびsで☆笑。てゆうか菊+リョ+不二の組合わせで書くの好きなんです。


アンケご協力本当にありがとうございます。

それでは最後までご覧くださりありがとうございました


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