special.K
「 不二くん、なんか怒っとる? 」
「 ・・・別に 」
「 ? 」
周囲のみんなは白石のことをしっかりしてて仲間思いの頼りになる部長。唯一の欠点はサムいギャグくらい
なんて言ってる。
けど欠点が一つしかないなんて完璧な人間この世にはいないと思うんだ
「 不二くん? 」
たしかに最初は・・・・
僕も白石と知り合って間もない時はね、みんなと同じことを思ってた
でもいざ恋人関係になって、しかも合宿で相部屋に偶然なり、彼と過ごす時間が今まで以上に格段に増えた今、僕の彼へ抱いていた完璧な人間像は脆くも崩れ落ちた
いや、別にそれが全て悪い方へ崩れた訳じゃない。
仲間思いな頼りになる部長、てゆうのは今でもそう思う
でも彼の欠点はサムいギャグだなんて可愛いものじゃない
サムいギャグだけなら僕はこんなにイライラしたりしない
「 不二くん、俺なんかした? 」
白石は鈍感だ
「 なぁ、不二く
「 白石さん、ここはどーやるんスか? 」
「 ん?どこ? 」
白石はたしかに周りには頼りになる部長だよね
今だって急に部屋に押し掛けて来た切原に勉強を教えてあげてる。切原は白石とダブルスを組んで以来彼を兄貴みたいに慕ってる(真田が寂しがってないかな)
せっかくの休日で二人でゆっくりしたかったのに
こんなことなら幸村のテニスのお誘い断らなきゃ良かったよ
「 白石さんって教えんの上手いっスね。」
「 そんなことゆーてもなんも出んよ? 」
とかなんとか言って今も二人で盛り上がってるし、
あーあ、つまらないな。
僕も僕でどこか遊びに行こうかな・・・ここにいてもモヤモヤするだけだし
僕は不意にそう思い立ち重い腰を上げようと身を乗り出す
「 ・・・不二くん! 」
「 え? 」
すると白石に呼び止められた
「 どこ、行くん? 」
・・・・ちょっと、そんなにきつく手を掴まないでよ
これじゃあ動けないじゃない・・
「 ここ、おって。な? 」
「 ! 」
〜!
そんな顔で言わないでよ!
「 あれ、俺お邪魔っスかぁ? 」
「 何言うとんねん、ほら手止まってるで 」
でも僕に向けられていた優しい視線はすぐにまた目の前の可愛い後輩に向けられる
白石の一番の欠点は分け隔てなく誰にでも優しいこと、だと思う。
それは他人から見たら長所だろう・・。やっぱり彼の欠点はサムいギャグだけ・・・
僕の感情はこんなにもかき乱されて辛いのに
でも僕は今日はもうここから動かないだろう・・・僕の手は今も優しい温もりに包まれている
ああ、自分はこんな嫉妬はしないと思ってたのに・・僕のこの欠点、白石は気付いてたかな・・?
end
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お話書くのは難しいです。文才を・・・
読んでくださりありがとうございました