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「 ....... 」



不二が立ち去った後、白石は黙って小包を見つめる





「 フフ。密会、かな 」



「 ?!!!! 」


突然の背後からの声に白石は思わず肩をビクッと震わす

白石が声の主の方へと振り向くと、ベッドの中で肘を付いてこちらを見つめる幸村の姿があった



「 幸村くん....起きとったんか 」



「 なに、貰ったの? 」


幸村は白石の言葉は無視して、手に持っている小包を見る


「 ん?本や 」



「 本?...また、なんで? 」



幸村はベッドから起き上がって白石から小包を見せて貰う


「 多分、誕生日プレゼント 」



「 多分?でも誕生日プレゼントはもう貰ってなかったっけ? 」

幸村は机にある小さなサボテンに目を向けた 。白石も釣られてサボテンの方を見る


「 そうなんやけど..」
「 それに白石くんに本なんてね。クス 」



幸村はそう言って白石を見る


「 どーゆう意味や! 不二くんも好きな本やから俺にも好きになって欲しい言うてくれたんやで 」


「 ふぅん。不二の好きな本か。へぇ.......あ 」



幸村は突然何かを思い出したようにカレンダーを見て




「 あぁ、そうゆうことか 」




と一人納得した様子で顎に手を添えて微笑んでいる



「 なんやの? 」



当然、なんのことか気になった白石が聞いてみる









「 今日はサン.ジョルディの日だ 」









........



「 は?さん、じょび...? 」



聞いてみたものの、白石にはちんぷんかんぷんだった



「 サン.ジョルディだよ。好きな人に本を贈る日なんだ 」



幸村は苦笑を浮かべつつ説明をする


「 へぇ、幸村くんは物知りやな。そんな日があるやなんて知らへんかったわ 」



白石は幸村に関心しつつ、ふと気付く...




「 ....好きな人に、本をあげる日なんか? 」


「 うん。 」


「 好きな人に? 」


「 うん。」


白石の問いに幸村は平然と返事を返す。






好きな人に本を贈る日



不二くんは今日がそんな日だって知ってて俺に本をくれたんやろか



ふと白石の中で過った疑問。








今日の不二くんのいつもとちゃう違和感....






"君に..好きになって貰えたらいいな"



ふと過る不二の言葉。




今思うとあれは本のことやなくて...



そう考えたらなんや...ドキドキするわ




なんやろ、この感じ...





「 ........ 」


「 白石くん? 」



幸村は急に黙りだした白石に不審に思い声をかける



「 あかん!気になるわ 」


白石は独り言のように呟くと



「 ちょっと不二くんとこ行って確かめてくるわ 」


「 え? 」


そう言って部屋を飛び出して行った







不二くんが今日のことを知っていて本を自分にくれた、

白石は自分でもどうしてか分からないが何故かそうであって欲しいと願っていた












"君に...好きになって貰えたらいいな"



そう問う君に、返した言葉




"きっと絶対好きになるわ"




それはきっと本のことじゃなく......








「 フフ。全く世話が焼ける 」


幸村は丁度窓から見えた2つの影にそっと微笑みかけた


end
――――――――――――
なんだこれー!
すいません。サンジョルディって合ってますか;4/23はサンジョルディの日です。白石の誕生日と近いですね

ちゃんと伝わったのか、毎回怖い。 幸村はきっと不二の気持ち知ってて演技したんでは..ないでしょうか。あとなんの本かはご想像に;


それではここまで読んでくださりありがとうございました



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