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「 ん?今日暑いなー思て、なんやちょっと不二くんと海にでも行きたいなー思っとって 」
「 .....海? 」
「 んで、気付いたらここまで来とった 」
「 気付いたらって... 」
気付いたらここまで..来れる距離ではないだろう。それが中学生ともなれば尚更のこと
なかなか状況を把握出来ていない不二は未だポカンと白石を見やるのみ。
「 ま、とりあえず行こ 」
「 え 」
そんな不二を余所に白石は自分より少し小ぶりな手をとり歩きだした
「 ねぇ、部活は今日休みなの? それに午後の授業はなかったの? 」
「 んー? 」
不二の手を握ったまま白石はスタスタと歩いて行く。不二は自分より少し歩幅の広い彼に合わせて付いて行く
でも不二は昼間に制服で、しかも手を繋いでいるとゆうこの状況が気になり恥ずかしくて仕方なかった。
もし、こんなとこを知り合いに見られたら..等と考えたら気が気じゃない。でも、白石の方はさして気にもしていないのか固く握られた手を全く緩めようとはしない。
不二は何も言わずに少し白石の影に隠れるように歩くことにした
「 んーいや、休みやないけど 」
不二がそんなことを考えていると白石がポツリと応える
「 ...え?!じゃあ..... 」
「 部活は財前に任せて来た 」
白石はしれっとした表情で言う
「 そんな...君一応部長でしょ? 」
「 一応ってなんやの
んーまぁ、たまにはええかと思て 」
「 ...... 」
「 授業は午後自習になったからフケて来てもうたわ 」
自分もサボってしまった為、白石にそれ以上はツッコまなかったが真面目なあの白石がサボったことに不二は少し驚いていた。
「 不二くんとこも今日部活やろ?サボらせてもうてすまんかったな 」
「 あ....まぁ、たまにはいいかな。フフ 」
話が弾んでいるうちにいつの間にやら手を繋ぐことに不二は段々と抵抗がなくなっていった
「 よっしゃ!んじゃはよ行こ! 」
「 何処に? 」
「 そやから海に! 」
「 あ、あぁ、、うん 」
白石と不二はそのまま歩いて青学からの最寄の駅に向かい電車に乗り込みそして1番近場にある海まで向かった
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