赤い華を貴方に

練習がない今日、特にすることもなかった僕は自室のベッドで寛ぎながら暇を持て余していた


そして僕のいる二段ベッドのその向かい側にも同じ型の二段ベッドが備え付けられていて、そこにはベッドサイドに寄りかかり床に座り込む幸村の姿が


僕が寝ているのは下のベッドであって幸村が正面を向けば必然的にその視線は真向かいに寝転がる僕の方に向けられる



でもだからってさっきから、こっち見過ぎじゃない?...視線が痛い。幸村も暇なのかな...


なんて思っていたら


「 不二 」



幸村が声を掛けてきた



ああ、僕に何か用があったのか....だからこっちを見ていたんだね

一人納得して僕は返事を返す。
流石に寝たままは失礼かと思い上体も起こした



「 ん?なに? 」






「 ああ、楽にしてていいよ 」


起き上がった僕にそう言うと幸村はスッと立ち上がりこちらのベッドサイドへと近付いて来た
側まで来ると屈んで僕のいるベッドを覗き込む。そして、そのまま中に入り掛け布団の上へ腰を下ろした


二段ベッドの下段って個室みたいに密閉された感じがするし、おまけにこの合宿所のはカーテンまで備え付けられてる訳で、ますますの密閉感...

そんな場所に突然入り込んで来た幸村の行動が全く読めない僕はただ驚くばかり




「 ...... 」



「 二人だとやっぱ狭いね 」



幸村は平然とした態度で僕の向かいに座っている


いや....なんでわざわざこんな狭い場所に
眠いなら自分のベッドにいけばいいのに...



「 ねぇ、どうし
「 不二、ってさ 」




僕は彼の不可解な行動の意図がいまいち解らなくて疑問をぶつけようとした。がその彼の言葉に呆気なく僕のそれは掻き消されてしまった


「 ん? 」





僕は諦めて彼の次の言葉を待つことにした



そして彼の次の言葉に僕は今日二度目のいや、今日一番の驚きを迎えることになった












「 不二ってさ、手塚と付き合ってた...よね? 」







「 ...... 」








その言葉に僕の思考は一時遮断..しかけた。だって全くもって予想も出来なかった言葉だったから...


....手塚と僕が?


幸村の顔を見ると、その表情にはいつもの穏やかな笑みはなく真剣そのものだった(ように僕には見えた)。別に僕をからかって吐いた言葉ではないみたい....


でも、なんで手塚と僕が付き合ってる??


てゆうか既に過去形?




いやいや、言っておくが僕は手塚と付き合っていたとゆう事実は全くない。


過去...そして現在も



なのに、どこからそんな変な噂が....


英二?桃?...あの辺はその手の噂話大好きだしな...


なんて僕が一人頭を悩ませていたら







「 やっぱそうなんだね 」


「 え? 」



どうやら幸村は僕が黙っていたのを肯定と読み取ってしまったらしい




「 ち、ちが
「 手塚がドイツ行くことになったから別れたの? 」


僕は慌てて否定しようとしたがまたもや彼の言葉で掻き消されてしまった



「 手塚がいなくて寂しい? 」



「 え..そりゃ手塚がいないのは寂しいけど 」



たしかに今までずっと近くにいてくれた一番近しい存在、友人兼チームメイトの彼の不在はとても寂しい



だから、つい否定することも忘れて正直に僕は「寂しい」と言ってしまった




でも それが間違いだった.....






「 ...そうか、そうだよね。



じゃあさ、俺が慰めてあげるよ 」



「 は?慰めるって


....!!! 」



僕が最後まで言い終わる前に幸村が突然身を乗り出してきて、あろう事か僕の首筋に顔を埋めてきた



「 ちょっ..なに?! 」



僕は慌てて彼の肩を手で押し返そうとした。が、体格差もあり彼の身体はびくともしない




そうしてる間に幸村は僕の首筋に唇を寄せて.....





「 ...いっ 」




そして次の瞬間感じたことのない小さな痛みが僕の首筋から駆け巡る..








「 ふふ。綺麗だよ 」



幸村はそう言いながらようやく僕の首元から顔を離した


恍惚とした...そんなような表情を浮かべた彼は僕の首筋に今度は手を伸ばして先程自分が付けた赤く染まるそれに触れ、そのままその手は導かれるように鎖骨へと伸びて細く浮き出た骨のラインをなぞった



幸村の優しい手付き...のせいなのかは分からないけど、まるで全身に電流が勢いよく走り抜けたかのような感覚が襲ってきて....僕の身体は思わずビクりと跳ねた


ただ、ちょっと触れられただけなのに.....




「 あれ?敏感だね。手塚のおかげ? 」



幸村が何を言っているのかよく理解が出来ない...
なんでこんなことになっているのかも僕には理解出来なかった




「 大丈夫だよ。手塚なんてさ、俺が忘れさせてあげるよ 」




「 ...え? 」




幸村の手が今度は僕の頬に伸ばされた


僕はただ困惑するばかりでその手を避けることはできなかった



fin?
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すいません、半端で。
エロ直前で(笑)実は白石乱入予定だったんですが;やっぱ恥ずかしい 。なんだか勘違い幸村さんと不二くんは全く無知ちゃん

でもでも続きが読みたいって方がいらっしゃれば、書くかも、です..

それでは拙いお話をご覧くださりありがとうございました


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