「豆まきするよ、ほら、涼太」

「な、なんスか…？」

「黄瀬が鬼役な。よっし！」

「手加減はしないのだよ」

「ねー、豆食べていーい？」

「紫原くん、まだですよ。先にこの豆を黄瀬くんにぶつけるんです」

「ちょちょちょっ！ちょっと待つっス!!俺が鬼役なのは決定なんスか!?」

「涼太、君がこの中では一番下っ端なんだ」

「いいから黙って鬼の面付けろよ」

「いや、じゃんけんで決めたらいいじゃないっスか！」

「さっさと付けるのだよ」

「じゃ投げるよー」

「だから人の話を聞いて!?!?」

「じゃあじゃんけんしますか？」

「何言ってるの、テツヤ。僕が鬼は涼太だって言ってるんだからそれでいいんだよ」

「第一、もしテツが鬼になったら嫌だかんな」

「僕だって鬼役くらいなれますよ」

「いや、それは駄目なのだよ。もしなったとしてミスデレでも使われたら豆を投げられんではないか」

「あー…確かにそうだねー」

「それは、そう…ですけど」

「ほら、涼太。テツヤを困らせて楽しいかい？君がさっさと鬼になっておけば…」
「わ、わかったっス！やるっスよ!!」

「黄瀬くん、大丈夫ですか？」

「黒子っち…俺頑張るっス！」

「気を付けて下さいね」

(え、そんなにっ…!?)



「じゃあいく、よっ！」

「ほーれ、鬼はー外っ！」

「鬼は外なのだよ！」

「おーにはーそとーっ」


ビシっ！ビシっ！！


「いたっ！ちょ、まっ…！アンタ等手加減ってもん知らないんスか!?」

「あ？鬼に手加減なんていらねぇだろ」

「当然だね」

「ぎゃーっ！！」


(だから気を付けてと言ったのに…)




-END-