※拍手ログ




「暑いっスねぇ…」

「そうですね…」


ミンミンと鳴く蝉にジワジワと地面から焼ける暑さに太陽のカッとした眩しさ。

午前中に終わった部活帰り、いつものメンバーでぶらぶらとどこに行こうか悩んだ結果バスケがしたいと誰かが言った。

すぐに皆が賛成をしストバスが出来る公園に行き着いた。

しかし外でするバスケにすぐ黒子はバテてしまう。


「黒子」

「緑間君、どうしたんですか」

「顔色が悪いのだよ。これでも被っておけ」

「…ありがとうございます」

「あー!!緑間っちずるいっス!」

「五月蠅いのだよ」


ばさりと黒子の頭にかけたのは緑間のユニフォームのジャージだ。

黒子より体格のいい緑間のジャージは黒子の頭と上半身がすっぽりおさまった。

ずるいずるい、と緑間に文句を言う黄瀬だが黒子の隣に座ったままである。
黒子から離れたくないのだ。


「黒ちーん」

「紫原君」

「これあげる〜」

「わ、有難うございます」


ほい、と言って渡したのは半分に折られたパプコのアイスだった。

もう半分は紫原がすでに食べている。
というより、いつの間に買ってきたのだろうか。

疑問に思いつつもパプコを食べるとひんやりとしたアイスが、口の中に広がりどうでもよくなった。

すると隣にいた黄瀬が、おいしいっスか?、と聞いてきたので、食べますか?、と応えた。


「え、い、いいんスか!?」

「一口だけなら」

「えー…黄瀬ちん、ずるくな〜い?」

「紫原君は自分のあるでしょう?」


そう言った黒子に、そうだけどぉ、と不満げな声を上げる。

それに首を傾げていると紫原の隣に赤司がやってきた。


「テツヤ、水分補給もしっかり取るんだよ」

「あ、はい」

「僕のカバンの中に…あぁほら、お茶だよ」

「どうも」


赤司から手渡されたペットボトルのお茶はひんやり冷たかった。

よく見ると冷凍庫で冷やしてたのか三分の一程がまだ氷のように固まったままだ。


「テーツっ」

「わっ」


ふう、と一息ついた所で黄瀬とは反対側の黒子の隣に青峰が座っていて、黒子の肩に手を回し寄りかかってきた。

折角、冷たいアイスやお茶で暑さが落ち着いたのに青峰がくっついてきたのでまた暑さがじわじわと戻ってきた。


「ちょっ!!青峰っち!何やってんスかー!!!!」

「…暑いです。というかバスケしてたんじゃないんですか」

「休憩、休憩。つか黄瀬うっせぇよ」

「峰ちん最後に来たのに狡くなぁい?」

「おい、青峰。黒子を離してやるのだよ」

「大輝、お前は暑苦しいから今すぐ離れろ」

「おいそりゃあ、どういうことだっ!」

「見た目がもう暑苦しいですもんね」

「テツぅ…」



‐END‐

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