※拍手ログ




「あっついなぁ…」

「そうっすね…」


体育館近くの水飲み場で顔を洗う火神の隣で、水を飲み終わった日向が呟く。

火神もそれに同意し、顔を上げる。昼の今は一番暑く、眩しさで思わず目を瞑ってしまう程だ。


「かーがみっ」

「は、ぶっ!!?」


はい、と返事をしようとしたが顔を日向へ向けた瞬間返事ではなく驚きの声に変ってしまった。

日向は火神が振り向いたと同時に水を火神にぶっかけたのだ。

水の威力は流石というか、蛇口の所を押さえるだけで勢いを増した水は見事命中。

火神の顔、そしてシャツまでもビシャビシャになってしまった。


「……先輩」

「ははっ!びしょ濡れだ、ぶはぁっ!!」


日向が全てを言う前に仕返しとばかりに火神も日向に水をぶっかけた。


「少しは涼しくなったんじゃ……」


ないか…ですか、と言おうとした言葉はゴクリと唾を飲み込んだ為でなかった。

夏物のシャツだったのか薄いそのシャツは水で濡れ、ぴったりと日向の肌にくっついている。

ブツブツと日向が文句を言っているが火神はそれ所ではない。

急いで肩にかけていたタオルを日向に渡すと、日向の両肩に手を置いた。



「日向先輩…着替えてくれっす」

「はぁ?」

「そんな恰好でいられると…その、」

「水かけたのはお前だろぉが、ダアホ」

「…ごもっとも、です」


とりあえず、と自分のシャツを脱いで日向に着せたがそのシャツもびしょ濡れで日向に怒られたのはまた別の話。



‐END‐

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