※拍手ログ




「あの…」

「ん、何?」


戸惑いながら発せられた言葉に氷室は気付かぬ振りをする。

日向は身動きがとれないまま視線だけをあちらこちらへ彷徨わせた。

なぜ身動きがとれないのかというと、日向の肩に氷室の頭が乗っているからだ。

しかもここは人通りも多い公園だ。日向は人の目が気になるのだが、氷室は気にせず日向に凭れかかる。


「…かな、」

「え?」

「凭れてるの迷惑かな?」

「あー…いや、大丈夫」

「そう、よかった」


肩に擦り寄りながら聞いてくる氷室に嫌だとは言えなかった。

こうやって甘えてくれるのは嬉しい、だけど場所を選んでほしいとも思っていて複雑な気持ちだ。


日向が悶々と悩んでいるとき、小さく笑い日向は首を軽く傾げる。


「どうした?」

「いや、可愛いなぁって」

「?何が…?」

「君が、だよ」


肩に凭れさせていた顔を少し上げ目を合わせる。

すると顔を赤くした日向と目が合い、うん可愛い、とニコリと微笑み唇を重ねた。



‐END‐

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