※黄黒要素もあります※「あれ?二人一緒?」
今日もまたマジバのいつもの席に座ると黒子が居た。(ウンザリだ…)
他の席に移るのも面倒だったからそのまま会話もなく、黙々と食べていると不意に声を掛けられ振り向くと日向先輩が居て(正直)驚いた。
日向先輩も一人で食べに来ていたみたいだったので、
「一緒にどうっすか?」
と隣の席をさすと少し考えた後に隣に座ってくれた。
「お前らいつも一緒なの?」
「いえ、僕の座ってた席に後で火神君が勝手に」
「お前の存在が薄すぎんだよ!」
「……ふーん」
(…?)
日向先輩の返事に少しの違和感があった。
その後も日向先輩は黒子とばかり会話をしていて此方を見向きもしないし、それに少し不機嫌そうに見える。
「あ、黒子っち!」
「黄瀬君」
「遅くなってゴメンっス!寂しくなかったっスか?てか火神っちとまた一緒なんて浮気ッスか!?」
「落ち着いて下さい、煩いです黄瀬君」
この状況をどうしようか考えていると良いタイミングなのか悪いタイミングなのか、黄瀬がやって来た。
そして当たり前の様に黒子の隣に座りべったり黒子を抱きしめている。
俺はまたか、と思ったが隣の日向先輩を見てみるとキョトンと状況についていけず不思議そうに黄瀬と黒子の様子を見ていた。
「アイツ等、付き合ってんだ…です」
「へっ!?…そ、そうな、のか?」
「あ、はい。一応、中学の時から付き合ってます」
「俺たちラブラブッスよね!」
「はいはい」
恋人というより飼い主とペットの様に見えてしまう。
「てか本当にいつも火神っち、黒子っちと一緒に居て狡いッス!」
「居たくているんじゃねぇよ!」
「黒子っち〜、あんな野蛮人と浮気は駄目ッスよ!?」
「しませんよ、有り得ないです」
呆れる黒子とギャンギャン煩い黄瀬、そして未だに状況についていけない日向先輩をチラリと見る。
「黄瀬、悪ぃけどよ」
グイっ、と日向先輩の肩に腕を回して此方に引き寄せる。
油断していたのか簡単に引き寄せれた。
そして此方を不思議そうに見つめる黄瀬と黒子にニヤリと笑ってみせる。
「俺、先輩と付き合ってっから」
「〜〜っな!」
「あ、そうなんスか?」
「そうだったんですね」
じゃあ安心ッスね!、といってまた二人の世界に入ったから、日向先輩の腕を掴んで席を立ちマジバを後にした。
「…バカガミ」
「悪かった、です」
「……っバカガミ」
「この後、俺ん家行かねぇ、ですか?」
なんか作るんで、と付け足すと少しの沈黙の後に赤い顔を逸らして、
「…レバニラ炒め」
とポツリと言ってくれてその表情がどこか機嫌が直ったようなので一先ず安心した。
だって羨ましかったのです