テスト期間に入り、勉強が苦手な俺は恋人である日向先輩に頼んで勉強を教えてもらう事にした。
場所は俺の家でしかも二人きりで、教えてもらうから隣に座っていて肩が触れ合う程に距離が近い。
本当に近い。
何が言いたいかといえば俺の理性がもつのか!、と叫びたい程だった。(正直キツい…)
「でな、此処は…」
「はぁ」
「…おい、火神聞いてんのか?」
「う、…うすっ」
チラリと此方を向けば本当に距離が近くて、今すぐにでもその肩を抱き寄せて唇に触れたい。(そしてそれ以上も…とか)
またノートに視線を移した日向先輩の横顔を見る。
「…先輩って眼鏡外したら相当悪い、です?」
「ん?あぁ、まぁなー…ってコラ!」
カチャリと眼鏡を取って机に置く。
眉を少し寄せた日向先輩がジトリと此方を睨んできたけれど気にせず、ズイッと鼻がぶつかる程に距離を詰める。(あ、意外と睫毛長ぇ)
「…おい」
「何すか?」
「何すか、じゃねぇよ…近すぎだろうが馬鹿にしてんのか」
「いや、馬鹿にはしてねぇ、です」
グイ、と肩を押されるが負けじと動かず見つめるとさっきよりも眉を寄せて睨むけれど、頬が赤くなっているから(寧ろ逆効果…)
「キス、したい」
「はぁ?」
「いいっすか?てか、する」
「わ、ダアホ!ちょ、待っ…ん、」
邪魔になる眼鏡がないから、眼を瞑る日向先輩をよそにジックリと表情を眺める。
舌を絡ませて深く口付けていくと、寄せて吊り上がっていた眉が段々と下がっていく。
そして閉じた瞳から少し涙が出ていてそれが逆に抑えがきかなくなって、そのまま押し倒す。
「は、か…火神っ‥」
「すんません…」
「……ダアホ、赤点とっても知んねぇ、かんな」
それは困る、と思ったけれど目の前の誘惑にはやっぱり勝てなかった。
魅力的なアンタが悪い